健康情報のウソ・ホント 

2010年11月〜2012年6月 掲載

2010年

10月

31日

健康情報のウソ・ホント 第1回 

世の中、猫も杓子もサプリメント


2010年11月1日

 (ちまた)には健康や病気に関する情報が(あふ)れています。テレビのコマーシャルを見ても、特に昼間の時間帯は、健康食品の広告ばかりです。当院の患者さんの中にも、テレビや新聞、週刊誌などから提供される健康情報を鵜呑(うの)みにしている方が大勢います。

医師が処方する薬を内服せずに、それより何倍も高価なサプリメントを購入している人も沢山います。

 何を隠そう、私の家内も「医者が出す薬よりサプリメントの方が大好き」人間の一人です。家内はかつて、「抗酸化サプリメント」と称する商品(1カ月分¥7,150)を3年間も飲んでいました。そして、また最近では「アナタが処方する薬より副作用が少なそうだし、お試し価格で安いから」と言って「××アミノ酸」という商品を注文する始末です。

 あるテレビ番組が「身体に良い」として取り上げた食品が爆発的に売れて、スーパーマーケットの売り場が(から)になるという馬鹿げた社会現象も起きています。

私は長い間、この様な現状に疑問を抱いていました。

最近の流行(はや)り言葉「アンチエイジング」も、やたらと耳障りで不愉快です。

 

 へそ曲がりで、流行り(すた)りには無頓着な私でも、診察の際に患者さんから「○○は本当に効くのですか?」と質問されたり、「娘が毎月△△を送ってくるから飲んでいる」と聞かされる事で、今こんな物が流行っているのか、と気がつきます。

それらの中から、しばしば耳にする物を題材に選び、世の中に流布している健康情報について私なりの考えを述べる事にします。

目的は、間違った情報に踊らされて無駄なお金を使う人を(家内も含めて)一人でも減らす事です。

 

 では、手始めに、家内がかつて3年間も飲んでいた「抗酸化サプリメント ○○オール」のサイトを覗いてみましょう。

 

 「○○オール」は肥満、癌、老化、加齢臭、糖尿病、肝臓病、高脂血症、痛風、胃潰瘍、花粉症、腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、心筋梗塞、脳卒中、リウマチ、白内障、アトピー、膠原病、歯周病、喘息、てんかん、自己免疫疾患、エイズ、パーキンソン病などありとあらゆる疾患に効果があり、美容にも良い。

 

 その根拠として、「『○○オール』は活性酸素抑制組成物なのだ。つまり、活性酸素を除去する作用がある SOD様抗酸化食品だということだ」と書いてあります。

 SODとはスーパーオキサイドジスムターゼという酵素で、動植物の細胞内のミトコンドリアという器官の中に存在します。この酵素はミトコンドリアにおけるエネルギー産生過程において生じるスーパーオキサイド(活性酸素の一種)という毒性物質を過酸化水素に転化する事によって、生体分子の損傷を防いでいると考えられています。

 

 しかし、「○○オール」に含まれる何という成分が「SOD様抗酸化」作用を発揮するのか、このサイトのどこを見ても書いてありません。百歩譲って、「○○オール」が高濃度のSODを含有するとしても、それを口から食べることによって万病に効能を発揮する上に美容効果もあるなどというのは荒唐無稽な発想です。第一、SODはもともと動植物の細胞内にあまねく存在する酵素であり、我々は日常的に肉や野菜から摂取しているのですから、もしSODを食べる事によって万病が予防でき、美容効果もあるのなら、地球は不老不死の美男美女で溢れかえってしまう事でしょう。

全く笑止千万でアホらしい話です。

 1カ月分で7,150円ですから、「○○オール」を3年間飲むと 7,150×12×3=257,400円です。家内は何と25万円以上もドブに捨てた事になります。25万円もあれば、私が今、喉から手が出るほど欲しい最新型のゴルフクラブ(ドライバー)が軽く買えます。

ああ、もったいない!

 

 大衆の美容・健康を追究する心理につけ込み、不安に(おとしい)れる。専門的な言葉を随所に散りばめた一見科学的な、しかし実際は全く非科学的な詐欺まがいの広告を用いて、高額の商品を売りつける。そんなアコギな商売が、私には許せないのです。

読者の皆さんが無益で高額な買い物をしないように、また、もし既に買っているとしたら考え直すために、当欄がお役に立てば幸いです。

 

 次回から順に取り上げるテーマは、コラーゲン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン、コエンザイムQ10、マイナスイオンの予定です。

 

2010年

12月

01日

健康情報のウソ・ホント 第2回 

コラーゲン


平成22年12月1日

 インターネットでコラーゲンを検索すると、瞬時に1,000万件以上がヒットします。

1番人気の「天使の××」は「水に溶けやすいフィッシュコラーゲン」を売り文句にした飲料です。

また、「すっぽん○○」は良質コラーゲン入りサプリメント(うた)っており、必須アミノ酸をバランス良く含んでいて「キレイ」と「元気」へ導いてくれるそうです。

ドリンク剤「コラーゲン△△」は、「吸収の良い」低分子コラーゲンを詰め込んでおり、弾むようなハリと潤いに満ちた美しさへと導いてくれるそうです。

いずれも、甲乙付け難い素晴らしい製品のように思えてしまいます。

美しい肌と元気を得るために毎日飲んでいる方も多いでしょう。

また、「○○リッチ 美容ジェルクリーム」という、皮膚に塗るコラーゲンもあります。これは何と5種類ものコラーゲンを含有し、ハリとうるおいに溢れる毎日が手に入るそうです!? 

しかし、以下の解説を読んで頂ければ判るように、これらの宣伝文句にはデタラメが多いのです。 

 コラーゲンは、皮膚、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成する繊維状のタンパク質で、細胞外基質の主成分です。細胞どおしがくっつき合って組織を形成するのを助けています。

高等脊椎動物に最も多いタンパク質で、体内のコラーゲンの総量は全タンパク質の1/3以上を占めます。

 コラーゲンを含めてタンパク質は、何百何千という多数のアミノ酸がつながり合って長い鎖状になった巨大分子から成ります。このアミノ酸どおしの結合形式をペプチド結合といい、できあがった巨大分子をポリペプチドと呼びます。ポリペプチド鎖1本だけから成るタンパク質もあれば、2本あるいはそれ以上から成るタンパク質もあります。

 コラーゲンタンパク質のポリペプチド鎖を構成するアミノ酸組成はタンパク質の中でも特殊です。その特徴の1つが、必須(ひっす)アミノ酸であるトリプトファンを含まないという点です。ちなみに、必須アミノ酸とは、体内で合成できず栄養分として摂取しなければならないアミノ酸の総称であり、トリプトファンを含めて9種類のアミノ酸から成ります。コラーゲンは必須アミノ酸の1つを含まないのですから、必須アミノ酸をバランス良く含んでいるという「すっぽん○○」の謳い文句はウソです。

 

                                                     次号へ続く

                

2011年

1月

01日

健康情報のウソ・ホント 第3回 

コラーゲン(続き)


平成23年1月1日

明けましておめでとうございます。今年も、読んで面白い情報を発信します。

 コラーゲンを構成するポリペプチド鎖はおよそ1,000個のアミノ酸から成り、分子量は約 10万です。多くの型のコラーゲンでは、このポリペプチド鎖が3本集まり、縄をなうようにお互いに巻きついて、3重らせん構造を形成しています。これがコラーゲンの構成単位であり、トロポコラーゲンと呼ばれます。このトロポコラーゲンが、少しずつずれてたくさん集まり、より太く長い繊維を作る場合があり、これはコラーゲン細繊維(細線維) と呼ばれます。例えば、骨や軟骨の中のコラーゲンはコラーゲン細繊維の状態で存在し、骨基質、軟骨基質にはコラーゲン細繊維が詰まっています。
コラーゲン細繊維は、更に多くが寄り集まって、強大な繊維を形成する場合があり、これがコラーゲン繊維(線維)(膠原(こうげん)繊維(線維))です。コラーゲン繊維は皮膚の真皮や腱などにびっしりと詰まっています。関節リウマチなどの膠原病は、コラーゲン(膠原)に変性が見られる事からこの様な名称になったのです。

ヒトのコラーゲンタンパク質は30種類以上あることが判っています。それぞれのコラーゲンは、I型、II型のようにローマ数字を使って区別されます。体内で最も豊富に存在しているのはI型コラーゲンです。骨に大量に含まれ、骨に弾力性を持たせる働きをしています。また、皮膚の真皮にも非常に多く、皮膚の強さを生み出す働きがあります。その他、靱帯、腱でもI型コラーゲンが主成分です。II型コラーゲンは関節軟骨の主な構成要素です。また、すべての上皮組織の裏打ち構造である基底膜にはIV型コラーゲンが主に含まれています。いずれにせよ、コラーゲンは繊維状の高分子であり、水には溶けません。「天使の××」の水に溶けやすいフィッシュコラーゲンという宣伝文句はデタラメです。

もちろん、フィッシュコラーゲンなどという名称は存在しません。

 コラーゲンに限らず、生体組織のタンパク質は代謝回転しています。わかり易く言えば、分解と合成を繰り返しているのです。そして、タンパク質の構成要素であるアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わってしまうという誤りが3,000個に1個の割合で起きていると考えられています。このタンパク質生合成(せいごうせい)の過程における誤りの頻度は、加齢と共に増加し、ついには生じたタンパク質分子が機能不全に陥るのです。これが老化現象です。(生合成とは、生体がその構成成分である生体分子を作り出す事です。) 

 口から摂取されたタンパク質は、プロテアーゼという分解酵素によってポリペプチド鎖が切断され、アミノ酸分子が2-3個結合しただけのオリゴペプチドと呼ばれる低分子物質に分解されます。これが小腸粘膜の上皮細胞に取り込まれ、別の分解酵素によって単独のアミノ酸にまで分解され吸収されます。

つまり、コラーゲンそのままの状態で消化管から吸収されるのではないのです。

                                                                   次号へ続く

2011年

2月

01日

健康情報のウソ・ホント 第4回 

コラーゲン(続き)


平成23年2月1日

 前号で、口から入ったコラーゲンはアミノ酸に分解されてから体内に入る事を説明しました。逆に、体内では、アミノ酸を原料として、コラーゲンだけではなく、あらゆるタンパク質が合成されるのです。元がコラーゲンでも、再びコラーゲンに合成されるとは限りません。アミノ酸は体内で必要なタンパク質を合成するために利用されるからです。
 
 ドリンク剤「コラーゲン△△」の宣伝文句にある、「吸収の良い」低分子コラーゲンなどこの世に存在しません。なぜなら、コラーゲンは、上に述べたように、そのまま吸収されるのではなくアミノ酸に分解されてから吸収されるのですから。そして、もとよりコラーゲンはアミノ酸約1,000個から成るポリペプチド鎖が3本縒(よ)り合わさってできた高分子物質であり、低分子コラーゲンなどという物はあり得ないのです。

 コラーゲンに限らずタンパク質を口から摂取するという事は、体内でのタンパク質合成の材料であるアミノ酸を供給する事にはなりますが、コラーゲン合成を促す事にはつながりません。コラーゲンを食べたら(飲んだら)皮膚や軟骨のコラーゲンが増える訳ではないのです。ドリンク剤「コラーゲン△△」が弾むようなハリと潤いに満ちた美しさへと導いてくれるなどというのは真っ赤なウソなのです。

 豚足(とんそく)、牛スジ、鳥皮、軟骨、魚の皮やひれ(フカヒレなど)は「コラーゲン豊富なので美容効果がある」などとよく言われますが、これも間違いです。口から入ったコラーゲンが皮膚へ移行して、組織のコラーゲンとして定着するのではないからです。
これらの食物は、どれもこれも私の好物です。もちろん、私は美容に良いからという理由で食べるのではありません。旨いから食べるのです。
 
 ゼラチンは、高温(哺乳類から抽出されたもので40℃度前後、魚類から抽出されたものではそれより低い温度)でコラーゲンを変性・分解した物です。コラーゲンの3重らせん構造が高温で壊れて解離し、立体構造が変わった状態となっています。水に溶けるなど、コラーゲンとは異なった物理的・化学的性質を示します。ゼリーの原料として用いられます。煮こごりの主成分でもあります。当然、ゼラチンもコラーゲンと同様に、アミノ酸に分解されてから吸収されます。ゼラチンを食べたら、そのまま皮膚へ移行して皮膚がゼラチンのようにプリプリと弾力性を帯びるようになる訳では決してありません。ゼリーや煮こごりは美肌効果があるなどという俗説は誤りなのです。
                                                       
 次号へ続く

2011年

2月

27日

健康情報のウソ・ホント 第5回 

コラーゲン(続き)


平成23年3月1日

 皮膚は、サイズの大きな物質を体内に通しません。異物から人体を守るようにできているのです。コラーゲンは既に述べたように、分子量が大きい巨大分子で、皮膚からは吸収されません。「コラーゲンが浸透する」(うた)う美容液はデタラメです。

コラーゲンが皮膚を覆ってシットリする事はあるかも知れませんが、直接それが真皮のコラーゲンに置き換わり美しい肌を作る事など幻想に過ぎません。

「○○リッチ 美容ジェルクリーム」などの皮膚に塗るコラーゲンで、ハリとうるおいに溢れる毎日が手に入れば苦労しません。まさしく夢見る乙女のおとぎ話です。

しかも、この製品の説明書きには5種類ものコラーゲンを含有すると何度もしつこく書いてあります。私はこの説明書きの端から端まで読みましたが、具体的に5種類のコラーゲンとは何なのか、どこにも書いてありませんでした。

誇大広告を通り越して詐欺と言わざるを得ません。 

 タンパク質がアミノ酸が多数結合した物である事は既に説明しました。私達の体内にあるタンパク質は約20種類のアミノ酸から構成されています。これらの内、体内で合成できるアミノ酸(非必須アミノ酸)は食事からの摂取にあまりこだわらなくても良いのですが、合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)は食物から摂取しなければなりません。体内で必要なタンパク質を合成する際に、必須アミノ酸の内どれか1つが不足しただけでも、完全なタンパク質合成はできません。

 含まれるアミノ酸の種類や量により、タンパク質の栄養価は異なります。「良質のタンパク質」という呼び方がありますが、これは必須アミノ酸の全ての種類を十分量含むタンパク質のことを意味します。具体的には、ほとんどの動物性タンパク質や大豆中のタンパク質が良質のタンパク質です。意外にも、植物性タンパク質では何種類かの必須アミノ酸が欠けていたり、量的に不足している物が多いのです。コラーゲンは、既に述べたように、必須アミノ酸であるトリプトファンを含みません。すなわち、コラーゲンは動物性タンパク質の中では例外的に良質のタンパク質ではありません。

 

 コラーゲン商品の中で1番人気の「天使の××」は1カ月分の値段が5,040円だそうです。私なら、同じ5,000円を使うのなら、「天使の××」なんぞ買いません。その替わりに、焼き肉屋に行き、枝豆をつまみに生ビールを飲んで、特上カルビや骨付きカルビを注文しますね。枝豆もカルビも良質のタンパク質ですから、必須アミノ酸も必要十分なだけ補充できますし、第一、旨いですからね。皆さんもそう思いませんか?

 

 コラーゲンについてのお話は今回で終了です。

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2011年

7月

01日

健康情報のウソ・ホント 第6回

平成23年7月1日

 

 コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン

 

 インターネットでコンドロイチンを検索すると300万件以上が、ヒアルロン酸では400万件以上が、グルコサミンでは700万件以上が瞬時にヒットします。

 

 まず、「コンドロイチン○○錠」の宣伝文句を見てみましょう。

 

 コンドロイチンは骨と骨の間の緩衝剤になるため、関節痛の原因となる摩擦を防ぎ、関節のスムーズな動きをサポートしてくれます。

コンドロイチンはもともと体内で合成可能な成分であり、若いうちは特に意識しなくても体内生産量だけで足りてしまいます。

しかし、コンドロイチンの体内生産量は20代あたりから下降気味となり、50代になる頃にはほとんど生産されなくなってしまいます。

そのため、50代を過ぎると膝痛や腰痛などのつらい痛みを感じるようになるのです。

加齢にともなうコンドロイチン不足は、外部からの摂取で補う必要があります。

膝や腰の痛みを感じ始めたら、コンドロイチンがかなり不足している証拠です。

できれば、痛みを感じ始める前に、コンドロイチン○○錠を飲んで、意識的にコンドロイチンを摂取するよう心がけましょう。

膝関節だけでなく、椎間板ヘルニアや腰痛、肩こりなど、さまざまな部位のつらい症状に優れた効果を発揮します。

 次に、「飲むヒアルロン酸△△」の宣伝文句を見てみましょう。

 

 ヒアルロン酸はもともと体内にある成分で、脳や目、肌、関節など、体の様々なところに存在しています。しかし、ヒアルロン酸は年齢とともに減少していきます。

△△を飲めば、ヒアルロン酸を簡単に摂取して頂けます。

毎日の生活でヒアルロン酸の効果的な摂取を心がけ、 常に体内に補給していくことが大切です。△△は、健康を保ちたい、いつまでも元気で若々しくありたいという方にお勧めします。

食物に含まれるヒアルロン酸は一般的に分子が大きいと言われています。

そこで、△△はヒアルロン酸を低分子化することに成功。

また、貴重な原料を手間ひまかけて製造したサプリメントです。

1カ月分12,600円です。

 

 それでは、「グルコサミン××」の宣伝文句を見てみましょう。

 

 グルコサミンは人の体で合成されるアミノ酸の一種で、主にダメージをうけた軟骨を元に戻したり、しなやかさを保つ働きがありますが、軟骨が分解するのを防ぐ方向の代謝にも影響を及ぼし、いくらか抗炎症作用もあります。

しかし、基本的な働きは、痛みの第一の原因である軟骨のすり減ったよく曲がらない関節組織を元に戻すことによって、痛み、腫れを緩和し、組織をしっかりしたものにすることです。グルコサミンはカニやエビの甲殻由来の成分で、普段食べる機会がなかなかありませんし、年齢が上がるとともに、合成能力が落ちていきます。

そのため、サプリメントからグルコサミンを補充しなければいけなくなります。

1カ月分3,990円です。

 

 以上の宣伝文句を読むと、コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミンのいずれも若さや健康を保つのに大いに役に立つサプリメントで、早速今日から飲まないといけない気にさせられます。

しかし、これらの宣伝文句にはウソやデタラメが多いのです。

こんな商品を買って飲むだけで、若さを取り戻す事など出来る筈がないのです。

次回以降で分かり易く解説します。

                                                      次号へ続く

2011年

8月

01日

健康情報のウソ・ホント 第7回

平成23年8月1日

コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン(続き)

 

 コンドロイチンとヒアルロン酸は、共に酸性ムコ多糖と呼ばれる化合物の1種です。

酸性ムコ多糖とは、2種類の糖(単糖)が交互に直列に延々と連なった構造をしている化合物の1群であり、糖が沢山つながっているので多糖というのです。

コンドロイチンはグルクロン酸とガラクトサミンという2種類の糖が交互に連なった構造をしており、ヒアルロン酸はグルクロン酸とグルコサミンという2種類の糖が交互に連なった構造をしています。すなわち、ヒアルロン酸は、コンドロイチンを構成する2種類の糖のうちガラクトサミンがグルコサミンに置き換わっているだけで、コンドロイチンと極めて似た構造をしています。

 

 コンドロイチンやヒアルロン酸の分子を構成する最小単位である、くり返し2糖(コンドロイチンではグルクロン酸とガラクトサミン、ヒアルロン酸ではグルクロン酸とグルコサミン)の分子量は共に約400で、コンドロイチンもヒアルロン酸もこの2糖が10,000回以上繰り返しつながっています。

従って、コンドロイチンもヒアルロン酸も共に分子量は約400万と巨大です。

一般に分子量が10,000以上の化合物を高分子化合物と呼び、分子量が数100以下のものを低分子化合物と呼びます。当然、コンドロイチンとヒアルロン酸は共に高分子化合物です。低分子のヒアルロン酸などという物はこの世に存在しません。

ですから、「ヒアルロン酸を低分子化することに成功した」という「飲むヒアルロン酸△△」の宣伝文句は全くのデタラメです。

 

 体内に存在する酸性ムコ多糖の中で、最も豊富に存在するのはヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸の主な存在場所は細胞外基質、関節の滑液などです。

ヒアルロン酸が水に溶けた水溶液は粘稠度が高く、潤滑油の働きをします。

 

 体内に存在する酸性ムコ多糖の中でヒアルロン酸に次いで2番目に多いのがコンドロイチンです。コンドロイチンそのものは細胞外基質の少数成分に過ぎませんが、コンドロイチンと硫酸との結合物であるコンドロイチン4-硫酸(コンドロイチンA)とコンドロイチン6-硫酸(コンドロイチンC)は軟骨などの主な構成成分です。

 

 コンドロイチンAとコンドロイチンCは軟骨などの組織中においてかなりのスピードで分解と合成を繰り返しています。具体的に言うと、軟骨中のコンドロイチンACは、数日から数週間で分解され、新しいコンドロイチンACに置き換わっています。

そして、この分解と合成のスピードのバランスが崩れると(合成のスピードが分解のスピードより遅くなると)、組織中のコンドロイチンACの量が減ってきます。

これは老化現象の1つです。変形性関節症において「軟骨がすり減る」と言われる現象の実態がこれです。

 

 老化によりコンドロイチンACの分解と合成のスピードのバランスが崩れると、組織中のコンドロイチンACの量が減ってきます。

年齢と共に合成のスピードが遅くなりはしますが、ゼロになる訳ではありません。

「コンドロイチン○○錠」の「コンドロイチンは50代になる頃にはほとんど生産されなくなってしまいます。」という表現は誇張です。

 

                                                                  次号へ続く

 

2011年

9月

01日

健康情報のウソ・ホント 第8回

平成23年9月1日

コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン(続き)

 変形性関節症の患者さんは当院でも非常に多いので、もう少し詳しく説明しましょう。この病気は「関節軟骨の変性・摩耗とその後の軟骨・骨の新生増殖、および二次性滑膜炎などに基づく進行性の変性関節疾患」と定義されます。つまり、老化などの原因で関節の軟骨が傷み、すり減ると、人間の体はそれを修復しようとします。しかし、正常な状態に修復することは出来ず、周囲の負担のかかっていない部位に異常軟骨や骨棘(こつきょく、骨がトゲの様に出っ張る事)として増殖します。こうして関節の変形が進むと同時に、関節内の滑膜という組織が炎症を起こして、関節内に水が貯まります。

関節の変形は、全身のどの関節にも発生し、加齢とともに発生頻度は増加します。

しかし関節の変形があっても、特に体重のかからない関節では痛みなどの症状が全くない場合も多く、関節の変形に症状が伴った状態を「変形性関節症」と呼びます。


 「コンドロイチン○○錠」の宣伝文句に「膝や腰の痛みを感じ始めたら、コンドロイチンがかなり不足している証拠です」とありますが、膝や腰の痛みの原因は変形性関節症だけではありません。また、「できれば、痛みを感じ始める前に、コンドロイチン○○錠を飲んで、意識的にコンドロイチンを摂取するよう心がけましょう。膝関節だけでなく、椎間板ヘルニアや腰痛、肩こりなど、さまざまな部位のつらい症状に優れた効果を発揮します。」謳(うた)っていますが、椎間板ヘルニアは変形性関節症とは異なる疾患であり、コンドロイチンの減少とは全く無関係です。

 皮膚や関節滑液中のヒアルロン酸も、軟骨中のコンドロイチンACと同様に、数日から数週間で分解されると同時に、新しいヒアルロン酸が合成され置き換わっています。そして、やはり、分解と合成のスピードのバランスが崩れると(合成のスピードが分解のスピードより遅くなると)組織中のヒアルロン酸の量が減ってきます。

これも老化現象の1つです。

 

 コンドロイチンもヒアルロン酸も、酸性ムコ多糖という高分子化合物であるため、口から摂取してもそのままの形では体内に吸収されません。

どちらも、アミラーゼという分解酵素によって切断され、糖が2つつながっただけの低分子物質となり、小腸粘膜の上皮細胞に取り込まれます。

そして、小腸上皮細胞の中でさらに別の分解酵素によって単糖にまで分解され吸収されるのです。

百歩譲って、仮にコンドロイチンやヒアルロン酸がそのままの形で小腸から吸収され血液中を運ばれるとしても、軟骨には血管がありませんので、軟骨内に入ることはできません。

 つまり、コンドロイチンを飲んでも、それが軟骨へ移行して軟骨の摩耗を防いでくれるなどということはあり得ないのです。

同様に、ヒアルロン酸を飲んでも、それが皮膚へ移行して皮膚の弾力を保ってくれたり、関節の滑液中に移行して潤滑油の働きをしてくれる訳ではないのです。

                                                           

                              次号へ続く

 

2011年

10月

01日

健康情報のウソ・ホント 第9回 

平成23年10月1日 

コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン(続き)

 

 前号で述べた様に、コンドロイチンもヒアルロン酸も、酸性ムコ多糖という高分子化合物であるため、口から摂取してもそのままの形では体内に吸収されません。

どちらも、アミラーゼという分解酵素によって切断され、糖が2つつながっただけの低分子物質となり、小腸粘膜の上皮細胞に取り込まれます。そして、小腸上皮細胞の中でさらに別の分解酵素によって単糖にまで分解され吸収されるのです。

 つまり、コンドロイチンを飲んでもそれが軟骨へ移行してくれる訳ではなく、ヒアルロン酸を飲んでも、それが皮膚や関節へ移行してくれる訳ではないのです。 

 「コンドロイチン○○錠」の 「加齢にともなうコンドロイチン不足は、外部からの摂取で補う必要があります。」は真っ赤なウソです。

口から摂取したコンドロイチンが軟骨のコンドロイチンに置き換わるのではないからです。「院長から一言(平成23年5月1日)」で述べた様に、軟骨中のコンドロイチンが減るのは、老化により合成速度が遅くなるのが原因であって、外部からのコンドロイチン摂取不足が原因なのではないのです。

 

 「飲むヒアルロン酸△△」の 「△△を飲めば、ヒアルロン酸を簡単に摂取して頂けます。毎日の生活でヒアルロン酸の効果的な摂取を心がけ、 常に体内に補給していくことが大切です。」こんな宣伝文句に騙されてはいけません。後に述べる様に、ヒアルロン酸は肉や魚に豊富に含まれていますから、わざわざ錠剤を買う必要はありません。

毎月12,600円も払って「飲むヒアルロン酸△△」を飲んでいる方は、以上の説明を理解した上で、今後も買い続けるかどうかを判断して下さい。そんなお金があったら、たまに夫婦揃って寿司や中華料理でも食べに出かけた方がよほどマシだと私は思います。

 

 「グルコサミン××」の宣伝文句もデタラメばかりです。

 

 「グルコサミンは人の体で合成されるアミノ酸の一種」と書いてありますが、「院長から一言(平成23年5月1日)」で述べた様に、グルコサミンはヒアルロン酸という酸性ムコ多糖を構成する2種類の糖の1つです。アミノ酸ではありません。

 グルコサミンは単なる糖に過ぎませんから、主にダメージをうけた軟骨を元に戻したり、しなやかさを保つ働きなどありません。また、軟骨が分解するのを防ぐ方向の代謝にも影響を及ぼしたりしません。抗炎症作用などあるはずもありません。

痛みの第一の原因である軟骨のすり減ったよく曲がらない関節組織を元に戻すことによって、痛み、腫れを緩和し、組織をしっかりしたものにする働きなど絶対にありません。

 「グルコサミンはカニやエビの甲殻由来の成分で、普段食べる機会がなかなかありません。」とも書いてあります。確かに、グルコサミンはカニやエビの甲殻を構成するキチン質の成分ではあります。しかし、グルコサミンを構成要素の1つとするヒアルロン酸は、脊椎動物の細胞の被膜や細胞外基質中に広く存在しており、肉や魚を食べれば容易に摂取可能な物質です。決して普段食べる機会がなかなかない物ではありません。

「サプリメントから補充しなければいけない」という売り文句は大嘘です!

 

 腰や膝の痛みを治すために、毎月3,990円も払って「グルコサミン××」を飲んでいるアナタ。そんなお金があれば、トンカツ屋へ行ってエビフライやロースカツでも食べた方が良いと私は思います。グルコサミンもたっぷり含まれていますからね。

 

 それにしても、ヒアルロン酸の構成要素としてのグルクロン酸とグルコサミンは共に商品化されサプリメントとして売られていますが、ガラクトサミンはグルクロン酸と並んでコンドロイチンの重要な構成要素であるにもかかわらず、(私が調べた限りでは)全く商品化されていません。商魂たくましいサプリメント業界が、なぜ、ガラクトサミンも商売のネタにしないのか不思議です。ガラクトサミンはグルコサミンに比べて覚えにくい名称だからでしょうか?それとも他に理由があるのでしょうか?

どなたかご存じの方がいらっしゃったら私に教えて下さい。

 

 最後に、英国医師会誌British Medical Journal2010年9月号に掲載されたスイス、ベルン大学のPeter Juni博士らの大規模研究の結論を紹介します。 

1.2008年の世界でのコンドロイチン、グルコサミンの売り上げは1,700億円に達し、2003 年より60%増加している。

2.これら2つのサプリメントのいずれにも、患者の疼痛緩和という点で、臨床的に意義のある有益性は認められなかった。

3.これらのサプリメントを服用しても、費用がかかる以外の害はない。

  従って、積極的に使用を止める理由はない。

4.現時点では、これらの有効性を認める研究は存在しない。

 

要するに、これらのサプリメントを飲んでも、毒にも薬にもならないという事です。 

 

今回で、コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミンのお話を終わります。

 

2011年

11月

01日

健康情報のウソ・ホント 第10回 

平成23年11月1日 

健康情報のウソ・ホント 第10回 コエンザイムQ10

 

 ある広告会社の「コエンザイムQ10のすべて」というサイトは、コエンザイムQ10について多くの効能を謳(うた)い、絶賛しています。

書かれている内容の一部を抜粋してご紹介します。

 

 コエンザイムQ10は、老化防止や美肌のためになくてはならないものだ。

そもそも多くの生物のエネルギー源であるATPを作り出す働きをする補酵素なので、もともと細胞の力の源なのだ。

コエンザイムQ10はもとは医薬品だったが、規制緩和によりサプリメントや化粧品にも配合できるようになったことから、健康だけでなく美容のためにも注目されるようなってきた。

 コエンザイムQ10には、以下の様な効能効果がある。

 


1.免疫力を高める。

2.紫外線による肌へのダメージを防ぐ。

3.余計な体脂肪が蓄積されるのを防ぎ、ダイエット効果につながる。

 脚の動脈を広げて血流を良くし、下半身の部分痩せにも効果を発揮する。

4.心臓の機能が高まり、心臓が送り出す血液量が増え、全身の血行が良くなり、冷え性の症状が緩和される。

5. 疲労した細胞の活力回復を早め、疲労の蓄積を防ぐことができる。

6.細胞を元気にするため、当然、シワやシミ・くすみなどの肌のトラブルにも良い効果を発揮し、きれいになる。だから、美容に効く成分としても注目されている。

7.抗酸化力により、激しい運動をしても筋肉細胞が壊れないように守る。

8.最近の調査で、低血圧の人はコエンザイムQ10の血中濃度が低いということがわかった。コエンザイムQ10は低血圧にも効果的であるという報告がある。

9.コエンザイムQ10を続けて摂取すると、心臓のポンプ機能が高まるので、めまいや寝起きの悪さといった症状が改善される。

 

 細胞という人間の根本から改善するサプリメントであるということを考えると、ある程度の期間飲み続けることが重要で、即効性があるということはあまり期待できない。コエンザイムQ10の摂取を止めると、1週間くらいで血中濃度は元のレベルに下がってしまうことが確認されている。したがって、摂取を止めた1週間後くらいから、摂取していた時と比べて疲れを感じやすくなることがあるかも知れないが、これは、病気になったということではなく、摂取前の体調に戻ったということであるため、リバウンドとは異なるものである。一般的に健康維持や老化防止が目的であれば、1日100mg、病気の兆候がある場合は、300㎎を目安にするのがよいと思われている。

また、ストレスを抱えている人やスポーツなどで体力を使う人も、多めに摂取することが良いとされている。

 

 どうです、皆さん。

コエンザイムQ10は万能のサプリメントであり、しかも、毎日100mgから300mg摂取する必要があると書いてあります。

しかし、この会社が言っている内容の大部分は、もちろん、デタラメです。

信用してはいけません。

                         

次号へ続く


2011年

12月

01日

健康情報のウソ・ホント 第11回

平成23年12月1日 

健康情報のウソ・ホント 第11回 コエンザイムQ10(続き)

 

 コエンザイムQ10は、ユビキノンと呼ばれる物質の1種です。

ユビキノンは動物や植物の細胞内のミトコンドリアという構造物の中に存在する物質です。ミトコンドリアとは細胞の中でエネルギーを生産する工場です。

もう少し詳しく説明します。ミトコンドリアの中で電子伝達系というシステムが働いてATP(アデノシン-3-リン酸)というエネルギー物質が生成されます。

このATPはすべての生命現象のエネルギー供給にあずかる大切な物質です。

従って、ミトコンドリアは細胞の生命にとって極めて大切な器官であると言えます。

コエンザイムQ10に代表されるユビキノンは、細胞のミトコンドリア内で、エネルギー生産システムである電子伝達系において、補酵素という役割を演じています。

補酵素を英語ではcoenzyme(コエンザイム)といいます。ヒトのような高等動物のユビキノンは、イソプレン基という構成要素を10個持っていることからユビキノン-10と呼ばれ、コエンザイムQ10という別名が与えられたのです。

 

 Qはユビキノン"ubiquinone"という名前の中の"quinone"の頭文字です。

ちなみに、ユビキノンという名称は、動物、植物、微生物の細胞のミトコンドリア内にあまねく存在する(ubiquitousである)ところから付けられました。

 広告会社の宣伝文句の中の「コエンザイムQ10は多くの生物のエネルギー源であるATPを作り出す働きをする補酵素」というくだりは正しいと言えます。しかし、「もともと細胞の力の源なのだ。」という表現は誇大です。コエンザイムQ10は細胞のミトコンドリア内で、エネルギー生産システムである電子伝達系に関与する様々な物質の1つに過ぎません。

 

 コエンザイムQ10の薬理学名はユビデカレノンといい、日本では古くからうっ血性心不全の治療薬として使用されてきました。投与量は130mgと定められています。

しかし、うっ血性心不全に投与して心機能改善という効果を明確に実証した研究はありません。米国心臓学会も、ユビデカレノン(コエンザイム Q10)の治療目的での摂取について、「心不全の治療法に対しては、更に多くの科学的根拠が蓄積されるまで推奨できない」(心不全治療ガイドライン 2005)と位置づけています。

つまり、心臓に関しては薬剤としての効能はほぼ否定されているのです。

 現在では、一般臨床の場でコエンザイム Q10を処方する医師はほとんどいなくなりました。2001年、医薬品の範囲に関する基準(いわゆる「食薬区分」)の見直しに伴い、薬剤としての実証性のなさから、コエンザイム Q10は医薬品から食品へと変更されました。これを機に、日本の複数の製薬メーカーが一般消費者をターゲットとして、一般用医薬品(OTC医薬品)・医薬部外品として発売するようになったのです。

医薬品ではありませんから、規制の対象外であり、医師の処方箋なしに消費者が直接店頭などで購入できるようになりました。

さらに2004年、化粧品基準が改正されて、健康食品や化粧品への利用に道が開かれ、雨後の竹の子の如く、数多くのコエンザイムQ10関連商品が販売されています。

 

 以上の説明から、広告会社の「コエンザイムQ10はもとは医薬品だったが、規制緩和によりサプリメントや化粧品にも配合できるようになったことから、健康だけでなく美容のためにも注目されるようなってきた。」という説明が全くのデタラメである事が理解頂けるでしょう。規制緩和によってサプリメントや化粧品としての道が開けたのではありません。医薬品としての効果が否定されたため、仕方なく矛先(ほこさき)を一般消費者に向け、その無知につけ込んで詐欺的な営業販売をしているだけの事です。

 

                                                                     次号へ続く

 

2012年

1月

04日

健康情報のウソ・ホント 第12回

平成24年1月1日 

 明けましておめでとうございます。

今年も月に一度、おもしろい話題を提供していこうと思います。

 

健康情報のウソ・ホント 第12回 コエンザイムQ10(続き)

 

 食品としての販売を認めておきながら、厚生労働省は今もなお製薬会社にコエンザイムQ10を医師の処方箋が必要な保険医薬品としての販売も認めています。

これは、日本の厚生行政の不可解さを示す事例の1つですが、これについて追求するのは本欄の目的から逸(そ)れるので止(や)めておきます。

ちなみに、米国FDA(食品医薬品局)はコエンザイムQ10を薬剤として認めておらず、あくまでも食品としての位置付けしかしていません。

 

 

 先月号の「院長から一言」で述べた様に、コエンザイムQ10の心機能に及ぼす効果は否定されていますから、広告会社がコエンザイムQ10の効能として挙げている「心臓の機能が高まり、心臓が送り出す血液量が増え、全身の血行が良くなり、冷え性の症状が緩和される」「心臓のポンプ機能が高まるので、めまいや寝起きの悪さといった症状が改善される」というのは真っ赤なウソです。

 まして、「免疫力を高める」「紫外線による肌へのダメージを防ぐ」「余計な体脂肪が蓄積されるのを防ぎ、ダイエット効果につながる」「脚の動脈を広げて血流を良くし、下半身の部分痩せにも効果を発揮する」「疲労した細胞の活力回復を早め、疲労の蓄積を防ぐことができる」「細胞を元気にするため、当然、シワやシミ・くすみなどの肌のトラブルにも良い効果を発揮し、きれいになる」等の宣伝文句を実証するデータは何一つ存在しません。

 

 広告会社は、「コエンザイムQ10には抗酸化力により、激しい運動をしても筋肉細胞が壊れないように守る働きがある」とも言っています。

 酸化とは、化学的には電子を奪われる変化を指しますが、広く一般には物質が酸素と化合する事をいいます。生体内で生じる酸化反応としてよく知られているのが、炭素間の二重結合を2個以上含む脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)が酸素と結合して過酸化脂質と呼ばれる物質に変化する現象です。この過酸化脂質による動脈内皮細胞の障害が引き金となって動脈硬化が進展し、心筋梗塞や脳梗塞が発症すると考える学者もいます。

また、過酸化脂質が発癌にも関与している可能性も指摘されています。

 最近、この酸化を阻害する作用を意味する言葉として、「抗酸化」が流行しています。特に、栄養食品メーカーがまるで不老長寿の切り札のごとく、「抗酸化作用」や「抗酸化力」を売り物にした商品を乱発しています。

しかしながら、抗酸化作用を有するという事が直ちに老化防止効果にはつながりません。

 そもそも、コエンザイムQ10に抗酸化作用がある事は証明されていませんし、ましてや、「激しい運動をしても筋肉細胞が壊れないように守る」効果を実証するような臨床データはどこにもありません。

 広告会社は勝手に思いつくままに、様々なバラ色の効果を書き連ねているにすぎないと言わざるを得ません。

人を馬鹿にした、子供騙(だま)しです。

 

次号へ続く

 

 

2012年

2月

01日

健康情報のウソ・ホント 第13回

平成24年2月1日 

 

健康情報のウソ・ホント 第13回 コエンザイムQ10(続き)

 

 広告会社は「最近の調査で、低血圧の人はコエンザイムQ10の血中濃度が低いということがわかった。コエンザイムQ10は低血圧にも効果的であるという報告がある。」という馬鹿げた宣伝もしています。

「院長から一言(平成23年12月1日)」で述べた様に、コエンザイムQ10は細胞内のミトコンドリアという器官の中に存在しており、血液中に溶けているのではありません。

血液中には存在しない物質の血中濃度など、どうやって測ったというのでしょうか?

まさしく、自らの無知をさらけ出した大嘘です。全く呆(あき)れてしまいます。

 

 コエンザイムQ10の摂取量については、どの程度までなら摂取しても安全なのかという上限がまだよくわかっていません。

多量に摂取した場合に軽度の胃腸症状(悪心、下痢、上腹部痛)が現れるという報告があり、1日に数10mg以上の過剰摂取は避けた方が望ましいと考えられます。

厚生労働省も医薬品として用いられる量(130mg)を超えないようにとの通知を出しています。けれども、広告会社はこれを無視して「一般的に健康維持や老化防止が目的であれば、1日100mg、病気の兆候がある場合は300㎎を目安にするのが良い。また、ストレスを抱えている人やスポーツなどで体力を使う人も、多めに摂取することが良いとされている。」などと、とんでもないデタラメを言っています。

 

 かつて日本では、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)から開発された「イデベノンIdebenone(アバン)」が脳循環・代謝改善剤として武田薬品工業(株)から販売されていました。私も、脳の働きを良くする薬は他にないため、「アバン」を処方した経験があります。しかし、この薬には脳循環・代謝改善という薬理効果は認められない事が明らかとなり、1998年に医薬品の承認を取り消されました。

「院長から一言(平成23年12月1日)」で述べたように、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)の心機能に及ぼす効果は否定されていますから、うっ血性心不全の治療薬としての承認も取り消すべきです。 

 

 通信販売のカタログを調べた所、「△△△ヘルシーフーズ」という会社の「×××Q10 MAX」という商品は1カ月分¥11,500だそうです。私がこれだけ説明したのですから、賢明な皆さんは、こんなバカバカしい商品を買うのはお止(や)めになる事でしょう。

それとも、「自分が飲んでいるコエンザイムQ10は、もっと信用できる会社の製品で純度が高く、値段もそれほど高くないから」と言って、飲み続けますか?

 

2012年

3月

01日

健康情報のウソ・ホント 第14回

平成24年3月1日 

 

健康情報のウソ・ホント 第14回 マイナスイオン

 

 インターネットで「マイナスイオン」を検索すると、瞬時に200万件以上がヒットします。テレビや新聞、雑誌などでも頻繁に取り上げられ、一時、大ブームを巻き起こしました。滝の近くや森林などで多く発生していると言われ、ストレス解消や疲労回復効果があると騒がれました。このため、人工的に発生させる事に関心が集まり、多くの「マイナスイオン発生器」が開発され、現在でも販売されています。

 では、自称、マイナスイオン研究株式会社「マイ○○」のホームページを見てみましょう。一部を抜粋します。

 空気中にはミクロンから分子程度の大きさの電子を帯びた微粒子が浮かんでいる。

その中で分子が10個から、100個ほど集まった大きさの粒子をイオンと呼ぶ。

そのうちマイナスに帯電しているものをマイナスイオンと呼ぶ。       

大気のイオンは大気電界の強弱に大きく関係し、大気の汚染度、湿度などにも大きく影響される。

大気が汚れて湿度が高いときには、空気中にプラスイオンが多く、大気電界もプラスになる。その反対に、大気が澄み切って湿度が低く、すがすがしい状態のときは、空気中にマイナスイオンが多く、大気電界もマイナスになっている。

 大気汚染物質はプラスイオンを増加させ、生体に悪影響を及ぼす。

肺から吸い込むプラスイオンは、酸素と一緒に血液中に溶け込み血液を酸性に傾け、活性酸素を増加させる。身体にプラスイオンが多く影響されるようになると、細胞膜におけるナトリウムやカリウムなどの電解質や老廃物の通過が悪くなり、栄養成分も細胞内に入りにくくなる。悪い老廃物が外に排出できなくなると身体に毒素がたまり、病気が誘発され、老化が進行する。プラスイオンは、まさにあらゆる病気の原因とも言える。

  一方、大気中にたくさんのマイナスイオンがあれば、プラスイオンは中和されて少なくなる。マイナスイオンが強くなると、生体組織を構成する細胞の活性が高まり、膜を隔てての物質の輸送や交換の新陳代謝が活発になり、身体の生命力が強くなる。

そもそも、自然の中の空気のきれいな所では、気持ちが良いではないか!「生き返った気がする」という人もいるだろう。そうした感覚も、マイナスイオンの効果だ。

  自然の中にはマイナスイオンがたくさんある。その中でも多いのが滝だ。

水がはじける場所にはたくさんのマイナスイオンが発生している。

特に自然界では、マイナスイオンは空気中で微細水滴が分裂するとき、水滴はプラスに帯電し、周囲の空気はマイナスに帯電する空気イオン化現象によっておきる。

これをレナード効果と呼ぶ。


 以上の宣伝文句は、日本語としても文法的におかしな文章ですので、分かり易い文章に要約してみます。

「空気中に浮かぶマイナスに帯電した粒子をマイナスイオンと呼ぶ。

湿度が低く、すがすがしい状態の時は空気中にマイナスイオンが多く、これが細胞の活性を高め、生命力を強くしてくれる。

逆に、プラスイオンを肺から吸い込むと、老化が進行し、あらゆる病気の原因となる。

そして、水滴が分裂する際にマイナスイオンが発生する現象をレナード効果と呼び、この効果によって、特に滝のそばにはマイナスイオンが多く発生している」

だいたい、このような事を主張したいようです。

 

 一見(いっけん)、科学的でもっともな事を言っているようですが、全部デタラメです。

 

                                                                      次号へ続く

 

2012年

4月

01日

健康情報のウソ・ホント 第15回

 平成24年4月1日 

 

健康情報のウソ・ホント 第15回 マイナスイオン(続き)

 

 そもそも、「マイナスイオン」などという科学用語は存在しません。

謂(い)わば、Japanese English です。

イオンという科学用語はあります。中学の理科や高校の化学で習ったので、覚えている方もいるでしょうが、私を含めて、忘れてしまった方のほうが多いでしょうから、おさらいしておきます。

 イオンとは、中性の原子または原子団(分子)が1個または数個の電子を失うか,あるいは1個または数個の電子を得て生ずる粒子をいいます。

例えば、食塩を水に溶かすと生じるナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)はそれぞれ、陽イオンと陰イオンです。

 

 通常の状態(常温、常圧)でイオンが存在しやすいのは,水溶液のような液体中においてです。水溶液中においてイオンが容易に存在し得るのは、イオンと溶媒である水との相互作用、すなわち水和と呼ばれる現象によります。

イオンは帯電しているために、異符号のイオンどおしが強く引き合い、同符号のイオンどおしは強く反発し合います。

ところが、水溶液中では、水和のためにイオン間の電気的な相互作用が弱められており、イオンとして存在しやすくなっているのです。

私達が化学で勉強したイオンも水溶液中での話でしたね。

 一方、気体においては高温,低圧の状態でのみ、少数のイオンが存在し得るにすぎません。具体的には、雷などの放電や紫外線などによって生成します。

これを電離と呼び、発生したイオンを空気負イオン(negative air ion)(「マイナスイオン」ではありません)、空気正イオン(positive air ion)といいます。

大気中に生成した空気イオンは、正と負の空気イオンが結合したり、大気中に拡散したり、粉塵や霧などの粒子に付着したりして消滅します。

つまり、空気イオンは大気中に安定して存在する物質ではないのです。

 

 仮に、株式会社「マイ○○」のいう「マイナスイオン」が空気負イオンの事を指しているとしても、大気が汚れて湿度が高いときには、空気中にプラスイオンが多く」なったり、大気が澄み切って湿度が低く、すがすがしい状態のときは、空気中にマイナスイオンが多く」なったりする訳がありません。

なぜなら、電離によって発生する空気負イオンは必ず空気正イオンと同数であり、しかも、生成後急速に消滅してしまうからです。

まして、大気の汚れによって正イオンが増えたり、すがすがしい時には負イオンが増えたりするなどというのは、噴飯物(ふんぱんもの)の馬鹿馬鹿しさです。

一体、どんな顔をしてこんなデタラメを書いているのか、見てみたいものです。

 

 さらに、「肺から吸い込むプラスイオンは、酸素と一緒に血液中に溶け込み血液を酸性に傾け、活性酸素を増加させる。身体にプラスイオンが多く影響されるようになると、細胞膜におけるナトリウムやカリウムなどの電解質や老廃物の通過が悪くなり、栄養成分も細胞内に入りにくくなる。悪い老廃物が外に排出できなくなると身体に毒素がたまり、病気が誘発され、老化が進行する。プラスイオンは、まさにあらゆる病気の原因とも言える。一方、マイナスイオンが強くなると、生体組織を構成する細胞の活性が高まり、膜を隔てての物質の輸送や交換の新陳代謝が活発になり、身体の生命力が強くなる。」

というくだりに至っては、もはや医学を知らない門外漢の口から出まかせとしか言えない文章です。

血液のpHが空気中に存在する微量のイオンによって変化する筈(はず)がありませんし、細胞膜の透過性に影響が及ぶ事などあり得ません。

 

 「そもそも、自然の中の空気のきれいな所では、気持ちが良いではないか!そうした感覚も、マイナスイオンの効果だ。」

何と人を馬鹿にした言い方でしょうか。空気のきれいな所では気持ちが良いのは当たり前で、わざわざ「マイナスイオン」を持ち出してこじつける必要など全くありません。

 

 要するに、株式会社「マイ○○」が推奨する「マイナスイオン」などという物質は存在しないのです。

 

                                                                      次号へ続く

 

2012年

5月

01日

健康情報のウソ・ホント 第16回

 平成24年5月1日 

 

健康情報のウソ・ホント 第16回 マイナスイオン(続き)

 

 株式会社「マイ○○」は次のように書いています。

 「自然の中にはマイナスイオンがたくさんある。その中でも多いのが滝だ。水がはじける場所にはたくさんのマイナスイオンが発生している。特に自然界では、マイナスイオンは空気中で微細水滴が分裂するとき、水滴はプラスに帯電し、周囲の空気はマイナスに帯電する空気イオン化現象によっておきる。これをレナード効果と呼ぶ。」

 

 しかしながら、水滴が激しくぶつかり合ってもイオン化などおこりません。

私は色々な文献を探しましたが、「レナード効果」という用語は見つからず、当然のことながら「レナード効果」に関する科学的な説明はありませんでした。

そのような物理現象は存在しないと結論せざるを得ません。

 おそらく、レナードとはドイツの物理学者レーナルト(Leonard, Philipp Eduard Anton 1862.8.7-1947.5.20)の事だと考えられます。彼は陰極線の研究によって1905年ノーベル物理学賞を受賞しています。その他、落下水滴の振動現象や紫外線による気体の電離などに関する研究も行っています。けれども、「マイナスイオン」に関する記述は、彼の論文のどこを捜しても見当たりません。彼は「マイナスイオン」の研究など行ってはいないのです。

 「レナード効果」という、いかにも科学的に聞こえるもっともらしい言葉は、後(のち)の世の「マイナスイオン」を飯(めし)の種にしたい連中がでっち上げた造語なのです。

 確かに、滝のそばでは爽快感を得ることはあるでしょう。しかし、これは飛び散った水滴が気化する際に気化熱を奪う事による空気の冷却、都会の喧騒から離れた静けさ、空気の清浄さ、周囲の木々の緑などの快適要因で十分説明可能です。

あえて科学的に実証されていない「マイナスイオン」を持ち出す必要はありません。


 

 次に、自称、マイナスイオン専門会社「△△企画」のマイナスイオン発生器「××ハウス」の宣伝文句を見てみましょう。

「『××ハウス』は1ccの空気中に850万個という大量のマイナスイオンを放出するので、頭痛、肩こり、花粉症、気管支炎、睡眠などに高い効果が期待できる。」

 

 では、この「大量のマイナスイオン」が果たしてどの位「大量」なのかを検証します。

0 1気圧、1mlの空気中に存在する気体(主に窒素と酸素)の分子数は2.7×1019 個です(この数をロシュミット数と呼びます)。

この中に850万個の「マイナスイオン」が存在すると仮定すると、その割合は

850万÷(2.7×1019)=3.1×10-13 となります。光化学スモッグで人体に害を及ぼすオゾンの濃度が0.12ppmppmとは1×10-6)ですから、「マイナスイオン」が有害なオゾンの何倍あるかを計算すると、(3.1×10-13 )÷ (0.12×10-6 )=2.6×10-6となります。

つまり、10万分の1以下です。

「大量のマイナスイオン」といっても、オゾンの10万分の1以下しかありません。

宣伝文句で「大量」といっても、実は、こんなに桁(けた)違いに薄い濃度しかないのです。

百歩譲って、仮に「××ハウス」が、存在その物が疑わしい「マイナスイオン」なる物質を本当に850万個」発生しているとしても、実際これほどの低濃度で「頭痛、肩こり、花粉症、気管支炎、睡眠などに高い効果が期待できる」ものでしょうか?

できる筈(はず)がありません。

 

                                                                    次号へ続く

 

2012年

6月

01日

健康情報のウソ・ホント 第17回

 平成24年6月1日 

 

健康情報のウソ・ホント 第17回 マイナスイオン(続き)

 

 自称、マイナスイオン専門会社「△△企画」はマイナスイオン発生器「××ハウス」以外にも、様々なマイナスイオン関連商品を販売し、次のように広告しています。

 

1.携帯型マイナスイオン発生器

  携帯タイプでありながら、破格の発生パワーを持つマイナスイオン発生器。

他社製を圧倒する空気浄化パワーで、持ち運べる空気清浄機としても好評。

2.マイナスイオンドライヤー

 200万個以上/ccと十分なマイナスイオン量を保持。

 髪の毛に潤いを与え、ハネたりしにくいまとまりのあるサラサラ髪を実現。

3.トルマリンシート

  静止状態で安定してマイナスイオンを発生。人体による圧力でさらに多くのマイナスイオンを発生。腰巻・腹巻・座布団などとして使える。

4.ポケットトルマリン

  いつもポケットに忍ばせて、いきいきライフ!ポケットなどに入れるだけでマイナスイオンを取り込める。マイナスイオン発生のための実績のある技術採用。

 

 トルマリンは、ケイ酸塩鉱物で、結晶を熱すると電位差を発生しますが、乾電池よりも微弱です。まして、「マイナスイオン」を発生するなど荒唐無稽なデタラメです。

「圧力をかけるとさらに多くのマイナスイオンが発生」したり、「ポケットに入れるだけでマイナスイオンを取り込める」などというくだりには、アホくさくてコメントのしようもありません。無論、これらの商品が全てデタラメである事は、賢明な皆さんなら容易にお分かりでしょう。

 

 平成1811月に東京都生活文化局が「マイナスイオンをうたう商品の表示に関する科学的視点からの検証について」という報告書を発表しています。要約すると、

①これらの商品の「マイナスイオン」が具体的にどのような物質(原子、分子、分子集団等)であるかを実証したデータはない。

②「マイナスイオン」の発生量は、測定条件、測定環境、測定方法等が不備・曖昧なものが多く、客観的に実証されたものとは認められない。

③「質の高い眠りを提供」「体細胞を活性化させる」「ほこりや花粉を除去する」などといった効果に関して、「マイナスイオン」が関与している事を具体的に示す試験結果等はなく、客観的な根拠に基づくものとは認められない。

④インターネットを利用して通信販売を行う事業者は、「マイナスイオン」商品に限らず、商品に関する十分な情報を持たず、客観的な事実に基づかない表示を行っている場合が多い。

⑤消費者へのアドバイス

 消費者は、一見、科学的な根拠に基づくかの様にみえる効果・性能を謳(うた)った表示であっても、これを鵜呑(うの)みにせず、商品を合理的に選択する必要がある。

 

私が連載で述べたかった事はこの報告書の結論の通りです。

 

 最後に、ノーベル化学賞受賞者の野依良治(のより りょうじ)・名古屋大学大学院教授(現・理化学研究所理事長)の言葉を紹介して、マイナスイオンに関する説明を終わります。

「科学的に理解するには、マイナスイオンとは何か、まず物質を特定し、その上で効果を議論しなければならない。実態のない言葉の独り歩きはおかしい」

 

お知らせ

平成30年8月13日(月)から16日(木)まで休診致します。

年末年始は12/29から1/3まで休診します。

1/4(木)から通常通り診療します(平成29年12月25日)。