Message from the Directorを更新しました(Jan 1,2025)。
Exploring the History of Medicine, Part 51: Florence, Part 31
生来、私はへそ曲がりで、人と同じ発言や行動をするのが嫌いです。
この場で、本音の発言をします。
世間一般の意見とは異なるかも知れませんが、私自身が正しいと信じる事しか書きません。
筆者に無断の転載や引用はご遠慮下さい。
2026年
5月
30日
土
令和8年6月1日
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂
ローマで、そして世界で、最も重要で、由緒ある教会です。
313年、ローマ帝国皇帝コンスタンティヌス(大帝)はミラノ勅令を発して宗教の自由を認め、ローマ帝国として初めてキリスト教を公認しました。
その翌年(今から1,700年以上前)に、コンスタンティヌス大帝が創建したのがこの大聖堂です。
ローマの4大大聖堂(このラテラーノ大聖堂とサン・ピエトロ大聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂)のうち最古です。
14世紀に教皇庁がアヴィニョンに移るまで、1,000年もの長い間、すべてのカトリック教会の中心でした。
この大聖堂に、「聖なる扉Porta Santa(ポルタ・サンタ)」と呼ばれる大きな扉があります。
扉には、聖母子像(マリアとイエス)と、十字架に磔にされたイエスが浮き彫りされています。
扉は聖年にのみ開かれます。
聖年とは、カトリック教会において、「ローマ巡礼者に特別の赦しを与える」年として定められた年です。14世紀以降、およそ数10年ごとに巡ってきます。
porta(ポルタ)はラテン語で、城壁の「門」を意味します。
英語ではport(ポート)で、「港」を表します。
ラテン語のportaや英語のportの語源は、ラテン語のportare(運ぶ)です。
つまり、港は、国家や都市の門であり、外界との間で物資を搬入・搬出する場所という訳です。
portable(ポータブル、持ち運びができる)、porter(ポーター、ホテルなどの荷物運び人)なども、port(運ぶ)から派生した単語です。
解剖学でも、門脈 (英語ではportal vein(ポータル ヴェイン)、ラテン語ではvena portae(ヴェーナ ポルテー))という血管があります。
胃・腸から吸収した栄養を「運ぶ」血液が集まって肝臓の入り口(肝「門」部)へと注ぎ込む血管です。
「門」に「運ぶ」血管だから門脈portal veinと呼ぶのです。
平成33年3月のミラノ編、同年11月のヴェネツィア編、平成35年1月のフィレンツェ編で「メドゥーサの頭」について説明しました。
これは、肝硬変で門脈の血圧が上昇し、肝臓に入れなくなった血液が肝臓を迂回して心臓に帰るために発達した側副血行路の一つです。
皮下の静脈が累々と浮かび上がった様子が、怪物メドゥーサの頭の蛇のように見えるため、こう呼ばれます。
次号に続く