医学の歴史を訪ねて 第19回 ヴェネツィア編 その14

令和4年5月1日

 

井戸(ポッツォ)

 ヴェネツィアの街には、あちこちに昔の井戸があります。

ポッツォと呼ばれます。

井戸と言っても、天然の湧(わ)き水が出た訳ではありません。

 海の干潟(ひがた)に人工的に造られた街ヴェネツィアは、高潮(たかしお)という水との戦いの他に、飲料水の確保という切実な問題を抱えていました。

 地中海沿岸は比較的雨量の多い地域ですから、雨水を利用することを考えました。

これには、塩田(えんでん)開発の技術を応用しました。

 まず、広場や空地(あきち)などの中央の、可能な限り広い正方形の土地を、深く掘り下げます。

その内側をすり鉢(ばち)状に粘土で固め、すり鉢の底に石を敷き詰めます。

そして、その上に多量の砂を詰めて、最後に石畳(いしだたみ)を舗装します。

井戸の周囲に降った雨は砂の中に滲(し)みこみ、砂でろ過された浄水が底に溜(た)まります。

それを汲(く)み上げて飲料水にしたのです。

 井戸には様々(さまざま)な彫刻が施(ほどこ)され、広場の飾りになっています。

裕福な階層の人々は、自宅の中庭に同様な井戸を造りました。

これらの井戸は、現在では使われておらず、たいてい金属の蓋(ふた)覆(おお)われています。

 では、糞尿など下水はどうしたかと言うと、当然、海や運河へ、たれ流していました!

 

サン・ロッコ 大同信組合

 16世紀に、聖ロッコを信仰するサン・ロッコ信徒会の集会堂として、ルネッサンス様式で建てられ、後(のち)に病院として利用されました。

 現在は、ティントレットが旧約聖書・新約聖書に題材を得て20年以上の歳月をかけて描いた、圧倒的な天井画と巨大な油絵の、計70余(あま)りで埋め尽くされています。

 聖ロッコ"Rocco"(ラテン語:ロクス"Rochus"、英語:ロック"Roch")は、13世紀末、南仏モンペリエに生まれ、20歳で両親を亡くしたことを機に、全財産を貧しい人に譲(ゆず)り、ローマ巡礼の旅に出ました。その道程(どうてい)で、ペスト患者の看病に献身しました。

 彼が患者の頭上に十字架の印を結ぶと、ペストがたちまち癒(い)える奇跡が起きました。ローマでは枢機卿(すうききょう)を回復させ、教皇にも謁見(えっけん)しました。

 3年後、帰路についたロッコは、ついに自身がペストに罹患(りかん)してしまいました。

彼は人里(ひとざと)離れた森に籠(こも)りました。喉(のど)渇(かわ)きに悩み、祈ると、自然に泉が湧(わ)きました。

空腹に苦しむと、犬がパンを運んで来てくれました。

 旅を再開したロッコは生まれ故郷に戻りましたが、怪しい風体(ふうてい)の男として投獄され、5年後に獄中で亡くなりました。

今では、ペストに対する守護聖人として崇(あが)められています。

「大腿のペスト痕(こん)」と「パンをくわえた犬」が聖ロッコの象徴です。

 インフルエンザ予防接種の予診票は当院受付にてお配りしている他、本サイトからもダウンロードできます。予め記入後お持ち下さい。

  ただし、「65歳以上の藤沢市民」は、インフルエンザ・コロナワクチン共に、当院にて専用の予診票に記入して頂く必要があります。ダウンロードはできません。

お知らせ

8月13日(火)、14日(水)、15日(木)の3日間、夏期休診させて頂きます。

Message from the Directorを更新しました(Jul 1, 2024)。 

令和6年4月以降、発熱など風邪症状がある方も、電話連絡等は不要となりました。

令和6年3月14日(木)、21日(木)、28日(木)の各木曜日休診します。

4月以降も、毎週木曜日休診します。

3月7日(木)臨時休診します。

2月28日(水)から3月5日(火)まで臨時休診します。3月6日(水)から診療再開します。

令和6年4月より、毎週木曜日、休診します。

1月25日(木)は通常通り診療します。

2月1日(木)は急用のため、休診いたします。

急用のため、1月18日(木)休診いたします。

 

急用のため、1月11日(木)休診いたします。

 

令和5年12月29日より翌1月3日まで休診します。ただし、1月2日は藤沢市休日当番医のため、午前9時から午後5時まで、急病・外傷患者さんの診療を行います。