医学の歴史を訪ねて 第28回 フィレンツェ編 その8

令和5年2月1日

 

アカデミア美術館

 アカデミア美術館はフィレンツェ美術学校の付属美術館です。

ミケランジェロの彫刻数点と1316世紀のフィレンツェ派絵画などを収めています。

 ミケランジェロ・ブオナローティ(14751564)は、フィレンツェ出身で、イタリアルネサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人です。

優れた芸術作品を多く残し、その多才さから、レオナルド・ダ・ヴィンチと同じく、「万能の人」と呼ばれています。

ミケランジェロはダ・ヴィンチより23歳年下で、さらに8歳若いラファエロを加えたこの3人は、「ルネサンス三大巨匠」と称されています。

 ミケランジェロ自身は絵画を軽視していましたが、西洋美術界に非常に大きな影響を与えた2点のフレスコ画を残しています。

ヴァチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂システィーナ礼拝堂の、天井画「創世記(そうせいき)」と祭壇(さいだん)壁画「最後の審判」です。

 一方、ミケランジェロが最も重要視したのが彫刻で、その中でも最高傑作として有名なのが、サン・ピエトロ大聖堂の「ピエタ」(処刑されたイエス・キリストを腕に抱く聖母マリア)とアカデミア美術館の「ダヴィデ像」です。

 ダヴィデ像は、16世紀初頭、26歳のミケランジェロが、メディチ家(ピエロ2世(ロレンツォ・メディチの子))を市外に追い出したフィレンツェ市民の依頼で、3年かけて制作した作品です。

 ダヴィデは旧約聖書の「サムエル記」に登場する、紀元前1,000年頃の英雄です。

英語の男性名デイヴィッドDavidはダヴィデに由来しています。

ちなみに、旧約聖書とは「天地創造」や「ノアの方舟(はこぶね)」などの物語が記(しる)された、ユダヤ教・キリスト教の経典です。 

 イスラエルの最初の王であったサウルは、神の命令に背(そむ)き、裏切りました。

神が次のイスラエル王候補として目を付けたのが、羊(ひつじ)飼(か)いの少年ダヴィデでした。

ダヴィデはハンサムで竪琴(たてごと)上手(じょうず)でしたが、勇敢な戦士でもありました。

 サウルが率(ひき)いるイスラエル人たちは、ペリシテ人との戦いを繰り返していました。

たまたま戦陣を訪(おとず)れたダヴィデは、ペリシテ最強の巨人戦士ゴリアテに挑発され、羊飼いの杖と、袋に詰めた石だけを持ってサウルの前に出ました。

突進してくるゴリアテに向かってダヴィデが石を投げました。

石はゴリアテの額(ひたい)に命中し、ゴリアテがうつ伏せに倒れました。

ダヴィデはゴリアテの剣を引き抜き、その首を切り落としました。

ペリシテ軍はこれを見て総崩れになり、イスラエル軍が勝利しました。

 以後も国を救う活躍を続けたダヴィデは、やがて2代目のイスラエル王となり、数十年に渡り国を統治しました。

ダヴィデの約1,000年後の子孫がナザレのヨゼフであり、ヨゼフの妻マリアがダヴィデの生誕地(せいたんち)ベツレヘムで産んだ子がイエス・キリストです。

ダヴィデ王は16世紀以降のフランスやイギリスのトランプ(カード)に、スペードのキングとして登場しています。

確かに、シンボルの竪琴を持って描かれています。

 身長5.2mの大理石像は、ダヴィデが巨人ゴリアテに石を投げつけようと狙(ねら)いを定めている姿です。

筋肉が盛り上がり、静脈が浮き出て、緊張感に包まれています。

目を見え、冷徹に口を結んだ表情が理性的です。

少年が巨人に立ち向かう像は、独裁政治を打ち倒す共和政と、周辺諸国に立ち向かう小国フィレンツェの象徴でもあります。

  ダヴィデはユダヤ人ですから割礼(かつれい、包皮の切除)を受けている筈(はず)ですが、ミケランジェロは彼を包茎にしました。

そのため、この像が聖書に基づくと見なせるかどうか、いまだに論争が続いています。また、ダヴィデの睾丸は、左の方が右より下垂(かすい)しています。

これは、「男性の半数以上は、左の睾丸の方が右より下垂している」という統計学的事実と一致しています。

 男性の読者諸賢(しょけん)鏡(かがみ)を見てご確認下さい。

 

インフルエンザ予防接種の予診票は当院受付にてお配りしている他、本サイトからもダウンロードできます。予め記入後お持ち下さい。

  ただし、「65歳以上の藤沢市民」は、当院にて専用の予診票に記入して頂きますので、ダウンロードは不要です。

お知らせ

令和6年4月以降、発熱など風邪症状がある方も、電話連絡等は不要となりました。

令和6年3月14日(木)、21日(木)、28日(木)の各木曜日休診します。

4月以降も、毎週木曜日休診します。

3月7日(木)臨時休診します。

2月28日(水)から3月5日(火)まで臨時休診します。3月6日(水)から診療再開します。

令和6年4月より、毎週木曜日、休診します。

1月25日(木)は通常通り診療します。

2月1日(木)は急用のため、休診いたします。

急用のため、1月18日(木)休診いたします。

 

急用のため、1月11日(木)休診いたします。

 

令和5年12月29日より翌1月3日まで休診します。ただし、1月2日は藤沢市休日当番医のため、午前9時から午後5時まで、急病・外傷患者さんの診療を行います。

8/11(金)から8/17(木)まで夏期休診させて頂きます。

新型コロナワクチンの3回目接種を来年1月18日から開始します。

市から接種券が届いたら、電話にて予約して下さい。藤沢市以外の方も予約できます。

TEL 0466-31-0840