スフォルツァ城のメドゥーサ像
スフォルツァ城はルネッサンス期最大の宮殿です。
15世紀、かつての領主ヴィスコンティ家の城跡(しろあと)に、フランチェスコ・スフォルツァ公爵(こうしゃく)が築きました。
レオナルド・ダ・ヴィンチも建築に加わりました。
18世紀のナポレオン来襲までの間に、強固な城塞(じょうさい)となりました。
真正面がフィラレーテ門と呼ばれ、緑の中庭は昔の練兵場(れんぺいじょう)です。
内部には豪華なフレスコ画で飾られた部屋が続きます。
その一画に、怪物「メドゥーサ」の浮き彫りがあります。
メドゥーサは、ギリシア神話に登場する怪物ゴルゴンの3姉妹の一人です。
生来(せいらい)、美しい女性だったメドゥーサが、海神(かいじん)ポセイドンと交わったのがことの発端です。
戦いの女神アテナがこれに嫉妬(しっと)し、メドゥーサを醜(みにく)い怪物に変えてしまいました。
美しい髪の毛の一本一本は毒蛇の姿となり、ニョロニョロと動いていました。
イノシシの歯、青銅の手に変えられ、翼(つばさ)まで生(は)やされました。
おまけに、目はギラギラと輝き、見た者を石に変えてしまう魔力を持っていました。
肝硬変などの門脈圧(もんみゃくあつ)亢進症では、門脈を流れるべき血液が臍帯(さいたい)静脈(じょうみゃく)に流れ込み、下大静脈に向かいます。
これを側副(そくふく)血行路(けっこうろ)と呼び、ここを流れる血液量が多くなると、腹壁(ふくへき)皮下(ひか)静脈が放射状(ほうしゃじょう)に怒脹(どちょう)します。
この様子が、のたうつ蛇のように見えるため、「メドゥーサの頭」と呼ばれます。
内科診断学の教科書に載(の)っており、医師国家試験にも頻繁(ひんぱん)に出題されます。