欺瞞(ぎまん)に満ちた「地域包括ケアシステム」 第8回

令和2年9月1日

 

安倍首相はこの度(たび)退陣を表明しましたが、本稿では引き続き安倍政治に対する論評を続けます。

 

 国は、「受け皿作り」と言いながら、診療報酬では在宅医療の評価を引き下げ、さらに介護給付範囲を縮小し、介護報酬も引き下げるなど、必要なサービスを切り捨てる「改悪」ばかり行っています。

 切り捨てられた需要の受け皿は、「市場での購入」も含めた「自助」で何とかせよ、と突き放しているのです。

また、自治体が音頭(おんど)をとって、住民同士の互助機能の強化あるいは民間サービス(国は「インフォーマルサービス」と呼んでいます)の開発により対応せよ、とも要求しています。

 

 では、「市場での購入」「インフォーマルサービス」とは一体何のことでしょうか?

 

 20154月国会に提出された医療法改正案の柱の一つが、複数の医療法人や社会福祉法人などを統合させた「地域連携型医療法人制度(非営利ホールディングカンパニー型法人制度)」の創設です。

 安倍政権は、医療の成長産業化というお題目を唱え続けています。

医療への営利主義・市場原理主義の本格導入を狙っているのです。

分かり易く言えば、医療をビジネスチャンス拡大の場にしようという訳です。

 具体的には、混合診療の推進や、地域連携型医療法人(非営利ホールディングカンパニー型法人)導入による医療機関経営の再編、医療・介護・生活支援にわたる地域産業を寡占(かせん)的に行う企業の創出などにより、医療・介護・福祉を金(かね)儲(もう)けの場として宣伝し、広く門戸を開放しようとしているのです。

 

 安倍政権が「地域連携型医療法人(非営利ホールディングカンパニー型法人)」などという聞き慣れない言葉をひねり出してきた理由を説明します。

 今後、政府が発した「地域医療構想」の号令のもと、都道府県が病院の機能別に必要なベッド数を制限した場合、多くの病院が希望する急性期病床(診療報酬が高い)から、担(にな)い手が不足すると予想される回復期・慢性期病床(診療報酬が低い)への転換を、どの病院にさせるのかが問題になるからです。

 無理やり診療報酬が低い病床に転換しろと言われても、経営側としては死活問題です。

利害対立が起こり、構想通りの提供体制が構築できない可能性があります。

 ここで、仮に、構想区域内の医療機関の多数を傘下(さんか)に治める巨大法人が設立されれば、連携推進という統一的な方針のもと、機能分化・統廃合し、「地域医療構想」の実現に役立つと考えた訳です。

さらに、傘下に入る法人として、医療法人のみならず、介護事業を展開する法人も想定しており、「川上」から「川下」までを一体的に担うことを企図しています。

                       

                               次号に続く

 

インフルエンザ予防接種の予診票は当院受付にてお配りしている他、本サイトからもダウンロードできます。予め記入後お持ち下さい。

  ただし、「65歳以上の藤沢市民」は、当院にて専用の予診票に記入して頂きますので、ダウンロードは不要です。

お知らせ

令和6年3月14日(木)、21日(木)、28日(木)の各木曜日休診します。

4月以降も、毎週木曜日休診します。

3月7日(木)臨時休診します。

2月28日(水)から3月5日(火)まで臨時休診します。3月6日(水)から診療再開します。

令和6年4月より、毎週木曜日、休診します。

1月25日(木)は通常通り診療します。

2月1日(木)は急用のため、休診いたします。

急用のため、1月18日(木)休診いたします。

 

急用のため、1月11日(木)休診いたします。

 

令和5年12月29日より翌1月3日まで休診します。ただし、1月2日は藤沢市休日当番医のため、午前9時から午後5時まで、急病・外傷患者さんの診療を行います。

8/11(金)から8/17(木)まで夏期休診させて頂きます。

新型コロナワクチンの3回目接種を来年1月18日から開始します。

市から接種券が届いたら、電話にて予約して下さい。藤沢市以外の方も予約できます。

TEL 0466-31-0840