ついに、政権交代が起きました。 民主党の医療政策 第1回

2009年9月1日

 先日の総選挙で、従来の自公連立政権に代わり民主党政権が誕生する事になりました。
そこで、民主党が選挙前に公表した「マニフェスト」及び「民主党政策集INDEX 2009  
医療政策<詳細版>」を検討します。
そして、今後の医療保険制度への期待を述べると同時に、問題点を指摘します。
 
 民主党が掲げた医療政策の主な項目を列挙します。
1.自公政権の社会保障費削減方針を撤廃、総医療費をOECD加盟国平均まで引き上げ。
2.地域医療を守る医療機関を維持。
3.中医協(中央社会保険医療協議会)の改革。
4.医師養成数を1.5倍に増加。
5.医療従事者の職能拡大と定員増。
6.後期高齢者医療制度の廃止。
7.レセプトオンライン請求の「完全義務化」から「原則化」への変更。
8.「包括払い」制度の推進。
9.療養病床38万床を維持。
 まだ他にも民主党の医療政策は数多くあるのですが、まずはこれらの項目について、シリーズで順に考察を加えていきます。私は自公政権による医療政策を批判してきましたが、民主党の医療政策にも良い面と悪い面があり、この両面から複眼的に評価する必要があります。途中で項目が増加する可能性もあります。


1.自公政権の社会保障費削減方針を撤廃、総医療費をOECD加盟国平均まで引き上げ

 既に「院長から一言(平成21年1月1日)」で述べたように、小泉(自公連立)政権は医療・年金・介護の給付費の自然増に対して、2002年度から2006年度にかけての5年間に、約1.1兆円の伸びを抑制しました。
さらに2006年には、「骨太の方針2006」を閣議決定し、2007年度以降の5年間においても社会保障費の自然増を1.1兆円(毎年度2,200億円)抑制する方針を示しました。
この方針にのっとり、現在もなお社会保障費は削減され続けています。
 
 民主党は、自公政権が「骨太の方針2006」で打ち出した社会保障費削減方針(年2,200億円、5年間で1兆1,000億円)を撤廃する、と明言しています。
さらに長期的には、G7(先進7ヶ国)中最下位である医療費総額の対GDP(国内総生産)比(現在8.1%)をOECD(経済協力開発機構)加盟30ヶ国平均の8.9%程度に引き上げる事を目指す、とも言っています。
 
 ちなみに、私も1月1日時点では知らなかった事実があります。
ひょっとしたら民主党の政策立案者も気が付いていないのかも知れません。
それは、5年間で総額「1兆1,000億円」の抑制という数字その物もまやかしだという事です。つまり、こういう事です。社会保障費の増加を毎年 2,200億円ずつ減らすという方針からは、2,200億×5=1兆1,000億ですから、単純計算では、5年間で計1兆1,000億円減らされるだけの ように見えます。1兆1,000億円「だけ」という表現は不適切かも知れません。
何しろ、この金額だけでも消費税0.5%分に相当するのですから。
 しかしながら、実際に減額される社会保障費はこんなものではないのです。
前年に減らされた金額を元に、翌年さらに減らすのですから、5年間の総額では、
2,200+2,200×2+2,200×3+2,200×4+2,200×5=33,000となります。
即(すなわ)ち、5年間で合計3兆3,000億円の社会保障予算が削られるという事なのです。
1兆1,000億円ではなく3兆3,000億円もの社会保障費が削減されるのです。本年(2009年)度予算の一般会計における社会保障関係費は約21兆 円ですので、その2割近くに相当します。当然、患者が受ける医療サービスは低下し、医療機関が受け取る報酬は減ります。
そして、一旦削減されれば、回復することなく、低い水準のまま継続するのです。
 
 「院長から一言(平成21年1月1日)」で述べたように、我が国は1960年代以降約50年間に渡り、医療費抑制政策を執り続けてきました。取り分け、 この医療費抑制政策が顕著になったのは、1983年(昭和58年)に厚生省が「医療費亡国論」を発表して以降です。
民主党の医療費「増加」政策が実現すれば、長年続けられてきた医療費抑制政策の根本的転換となります。医療費「増加」政策の実行を是非とも期待したいものです。
                                                              
                            次号へ続く

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