生来、私はへそ曲がりで、人と同じ発言や行動をするのが嫌いです。
この場で、本音の発言をします。
世間一般の意見とは異なるかも知れませんが、私自身が正しいと信じる事しか書きません。
筆者に無断の転載や引用はご遠慮下さい。
2024年
9月
30日
月
令和6年10月1日
ウッフィツィ美術館
8.ヒュギエイア
ヒュギエイアについては平成34年10月1日号フィレンツェ編でも触れましたが、もう少し詳しく述べます。
ヒュギエイア"Hygieia"は、ギリシャ神話に登場する女神です。
医術の祖アポロンの子である医神アスクレピオスの娘の一人です。
つまり、アポロンにとっては孫です。
父アスクレピオス神と同様、蛇を従え、薬や水を入れる杯(さかずき)(または壺(つぼ))を携(たずさ)えています。
(アスクレピオスの蛇に、杯(壺)に入れた餌(えさ)を与えている、という説もあります)
この蛇と杯をモチーフにした「ヒュギエイアの杯」を、多くの国の薬剤師会がシンボルマークにしています。
アスクレピオスの杖が医学の象徴で、ヒュギエイアの杯は薬学の象徴という訳です。
アスクレピオス信仰が広がるにつれて、ヒュギエイアに対する信仰も厚くなりました。
ヒュギエイアは女性神であったため、女性の健康を守る神として崇(あが)められるようになりました。
当時の女性の間に、ヒュギエイアの彫像を髪飾りにすることが流行したそうです。
Hygieiaはギリシャ語の"hygies"(ヒュギエス)(健康な)に由来しており、英語の"hygiene"(ハイジーン)(清潔、衛生、衛生学)の語源でもあります。
ギリシャ神話のヒュギエイアは、ローマ神話ではサルース"Salus"と呼ばれます。
"Salus"が健康の女神ですから、イタリア語では健康を"salute"(サルーテ)といいます。
「ハイジーン」と聞くと女性用生理用品を思い浮かべる人がいるかも知れません。
本稿を読んだ今日からは、ギリシャ神話の健康の 女神を思い出して下さいね。
以下にヒュギエイア像と種々のロゴマークを示します。
いずれも、「ヒュギエイアの杯」が薬学の象徴です。