Message from the Directorを更新しました(Jan 1,2024)。
Exploring the History of Medicine, Part 51: Florence, Part 31
生来、私はへそ曲がりで、人と同じ発言や行動をするのが嫌いです。
この場で、本音の発言をします。
世間一般の意見とは異なるかも知れませんが、私自身が正しいと信じる事しか書きません。
筆者に無断の転載や引用はご遠慮下さい。
2025年
1月
31日
金
令和7年2月1日
サン・ジョヴァンニ洗礼堂 Battistero di San Giovanni
花の聖母(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)大聖堂(ドゥオーモ)より早く、11世紀に、街の守護聖人、聖ジョヴァンニ(洗礼者聖ヨハネ)に捧(ささ)げて建造されました。
ドゥオーモが出来るまでは礼拝堂(聖堂)として使われ、フィレンツェの象徴でしたが、ドゥオーモが出来たため、改修されて洗礼堂となりました。
フィレンツェに生まれた詩人ダンテも、ここで洗礼を受けました。
8角形の建物で、南、北、東の扉にはブロンズのレリーフ装飾が施されています。
特に有名なのが北と東の扉です。
北の扉:ぺストの大流行から復興したフィレンツェが、15世紀初頭、新しい時代を祈って、洗礼堂の扉のコンクールを行いました。
そして、ロレンツォ・ギべルティの作がブルネッレスキに勝ち、採用されました。
新約聖書に基づき、「キリストの生涯」と「諸聖人像」から成ります。
一方、敗れたブルネッレスキは、失意のうちにフィレンツェを離れ、ローマで建築の勉強をしました。その後、彼がフィレンツェに戻り、設計したのが花の聖母教会(ドゥオーモ)の大クーポラ(丸い屋根)です。
東の扉:北の扉の約20年後、やはりギベルティが製作しました。
後に、ミケランジェロが「天国の門」と呼び、賞賛しました。
多くの人々が触れたため、扉全体が金色に輝いています。
旧約聖書を題材にした10枚の金色のレリーフは、遠近法を巧みに取り入れています。
洗礼者ヨハネは、『新約聖書』に登場する古代ユダヤの預言者です。
その名のとおり、ヨルダン川でイエス・キリストに洗礼を授(さず)けました。
洗礼とは、キリスト教徒となるために行う儀式です。
頭に水を注ぐことによって罪を洗い清め、神の子となる証(あかし)とします。
もちろん、洗礼者ヨハネは、イエスの弟子である使徒ヨハネとは別人です。
「ヨハネJohannes」の名は、ヘブライ語の「主は恵み深い」を意味する「ヨーハーナーン」に由来します。
キリスト教がヨーロッパで主たる宗教として普及した結果、各国で、聖書に登場するJohannes(ヨハネ;ラテン語)に由来する男性名が広がりました。
John(ジョン;英語)
Jean(ジャン;フランス語)
Juan(フアン;スペイン語)
João(ジョアン;ポルトガル語)
Johannes(ヨハネス;ドイツ語)
Ioannes(イオアネス;ラテン語)
Giovanni(ジョヴァンニ;イタリア語)
Evan(エヴァン;ウェールズ語)
などです。
この中でも、英語名ジョンJohnは世界中で最も多い男性名だと言われています。
確かに、ジョン・F・ケネディやジョン・レノンなど、ジョンの名を持つ有名人は多いですね。