令和3年4月1日
ヴェネツィアVeneziaの地名
5世紀頃、この地に移り住んだ「ヴェネトVenet(沼の居住者)族の街」という意味です。
ヴェネト州の州都で、中世にはヴェネツィア共和国の首都として栄えた都市です。
英語ではVenice(ヴェニス、ベニス)と呼ばれます。
人口約26万人(茅ヶ崎市と同じくらい)の自治都市です。
自治都市とは、市民自身が市政を運用する都市で、「コムーネcomune」と呼ばれます。
イタリアの自治体には、日本のような行政上の都、道、府、県、市、町、村の区別はありません。
人口100万人を超えるナポリのような都市も、バローロのような1,000人以下の村もすべて「コムーネ」です。
しかし、日本語に訳す際には「ナポリ市」や「バローロ村」のように、便宜的に日本の自治体の規模に合わせて呼ぶのが通例です。
この点は、フランスのコミューン(コミュヌ)と同様です。
イタリアのコムーネは、共同体を表す英語のコミューンcommuneと同様、ラテン語のコミュニスcommunisが語源です。
英語のcommon(共通の)、community(共同体、地域社会)、communication(伝達、情報、通信)、communism(共産主義)などは、communisからの派生語です。
現地を訪ねるまで、私のヴェネツィアに関する知識は、シェイクスピアの「ベニスの商人」、ゴンドラが行き交(か)う「水の都」、美しい「ヴェネツィアン・グラス」、美味(おい)しいイカ墨(すみ)スパゲッティ、度々(たびたび)水没する「サン・マルコ広場」ぐらいの物でした。
次号に続く