令和2年4月1日
2012年(平成24年)8月に社会保障制度改革推進法が成立しました。
この法律の趣旨にのっとり、政府が「社会保障制度改革国民会議」を作りました。
この会議が2013年8月に「報告書」を発表しました。
この報告書の提言に基づいて、前号で述べた「社会保障改革プログラム法」が成立したのです(2013年12月)。
この「報告書」の中に「医療と介護の連携と地域包括ケアシステムというネットワークの構築」と題して、次のように書かれています。
「医療から介護へ」、「病院・施設から地域・在宅へ」という流れを本気で進めようとすれば、医療の見直しと介護の見直しは、文字どおり一体となって行わなければならない。高度急性期から在宅介護までの一連の流れにおいて、川上に位置する病床の機能分化という政策の展開は、退院患者の受入れ体制の整備という川下の政策と同時に行われるべきものであり、また、川下に位置する在宅ケアの普及という政策の展開は、急性増悪時に必須となる短期的な入院病床の確保という川上の政策と同時に行われるべきものである。
長くて、回りくどく、分かりにくい文章です。
要約すると、こういうことです。
「川上」改革として、急性期病院のベッド数を削減して患者を早く退院させろ。
そして、その受け皿として「川下」に地域包括ケアシステムを構築せよ。
患者を魚に例え、医療から介護への連携を川の流れに例えているのです。
「報告書」は「地域包括ケアシステム」を「地域ごとの医療・介護・予防・生活支援・住まいの継続的で包括的なネットワーク」だと定義し、各地域でネットワーク作りを進めろと要求しています。
そして、
「この地域包括ケアシステムは介護保険制度の枠内では完結しない。
介護ニーズと医療ニーズを併せ持つ高齢者を地域で確実に支えていくためには、訪問診療、訪問口腔ケア、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問薬剤指導などの在宅医療が、不可欠である」
と解説しています。
次号に続く