令和元年10月1日
前5回に続き、今回も、差別用語・放送禁止用語の例を紹介します。
・レントゲン技師
診療放射線技師と呼ばなければいけないそうです。
私が38年前に医師になった時は、病院のレントゲン室にレントゲン技師さん達が大勢いましたし、今でもレントゲン技師の友人が何人かいます。
皆、性格の良い人達ばかりです。
彼らから「俺をレントゲン技師と呼ぶな。診療放射線技師と呼べ」と言われた事は一度もありません。
・障害者
「害」を「がい」に置き換えて「障がい者」というべきなのだそうです。
「害」には、あってはならない存在というイメージが付きまとうのだそうです。
そして、「害」の文字は不快感を与え、誤解を招く恐れがあるからだそうです。
どういう誤解を招くのでしょうか?
「人に害を及ぼす」存在だという誤解を招くのだそうです。
そんなバカな!
漢字をひらがなに替え、言葉の表面だけを取り替えたところで、問題解決にはなりません。
多摩市や藤沢市のホームページを見ると、確かに、「障がい者」と書いてあります。
「障害者」を「障がい者」に言い換えれば、障害が治る訳でも、障害者が暮らしやすい街になる訳でもありません。
そんな姑息的な手段を考える暇があったら、医療・福祉への予算配分を増やしなさい!藤沢市長さん!
また、ある政党は、「障害者」の「害」にはマイナスのイメージが強いので、「がい」の表記に替えるよう、政府や地方自治体に働きかける事にしたのだそうです。
また、法律の表記を改めるための法改正も、求めていくのだそうです。
そんな暇と労力・カネがあったら、もっとまともな政策を立案して下さいよ!
一方、東京都や神奈川県のホームページには、まだ、「障害者」と記載されています。
少し安心しました。
・障害物競走
多くの学校で「障害物競走」が消えているそうです。
「人生行路」や「山あり谷あり競走」など別の名称に替えているのだそうです。
変わったのでは、「興味走」「運命走」なんて名付ける学校もあるそうです。
何じゃ、それ!
障害者に失礼だからという考えからだそうですが、過剰な自己規制です。
・用務員 ~君 ~さん
「用務員」が差別的とされ、各学校では「校務員」、「校務技術員」、「管理作業員」などの呼び名に置き換えられているのだそうです。
私は小学生時代、よく用務員室(当時は畳敷きでした)に上がり込んで、用務員のおっちゃんからお菓子をもらったものです。
小学校で、男子児童を~君、女子児童を~さんと呼ぶのも男女差別に繋がるから禁止だそうです。
男子も~さんと呼ばなければいけないそうです。
また、名簿の順番も「男女混合型」にしないといけないそうです。
しかし、男の子と女の子は違うのです。
男女は違うのですから、区別するのは当然ですし、それは差別とは異なります。
私は、当院を受診する男の子を~君、女の子を~さんと呼んでいますし、これからもそうします。
手元に、私の小学校卒業アルバムがあります(昭和43年度卒業 京都市立桃山小学校)。
教職員の欄に、立派に用務員の氏名が3名並んでいます。
卒業生も、各組とも男子、女子の順に並んでいます。
古き良き時代の遺物です。
・うんこ
誰でも知っている、大便の意。
でも、「うんち」は幼児語だから、禁止用語ではないそうです(?)
また、どの禁止用語一覧を見ても、「オシッコ」は載っていませんでした。
大はダメでも小は良い?
また、男女の生殖器の俗称である「オ○ン○ン」と「オ○ン○」も、どこを探しても見つかりませんでした。
わざわざ書かなくても当たり前という事なんでしょうね。
「そんなモノを探している暇があったら勉強しろ!」とお叱りを受けそうですので、この辺で終わりにします。
次号に続く