令和元年9月1日
前4回に続き、今回も、差別用語・放送禁止用語の例を紹介します。
・めくら、めくらめっぽう(滅法)
めくらが目の不自由な人を指す事は誰でも分かります。
目が見えない人に向かって「オマエはめくらだな」と言うのは失礼です。
しかし、めくらめっぽう(滅法)はどうでしょうか?
辞書には、何の見当も付けずにむやみに行うこと、やみくも。とあります。
私は子供の頃から、言い出したら最後、めくらめっぽうに突き進む悪い癖がありました。
こう言ったら、視覚障害者に対する差別でしょうか?
決してそうではありません。
・つんぼ、つんぼ桟敷(さじき)
聴覚障害者に対して「つんぼ」とからかってはいけないのは当然です。
これに関連して、つんぼ桟敷という、いかにも日本語らしい洒落(しゃれ)た言葉があります。
歌舞伎の二階桟敷の一番奥で、舞台の役者の声がよく聞こえない場所のことを意味します。声が聞こえない桟敷だから「つんぼ桟敷」と言うのです。
「無視する」と言うよりも「つんぼ桟敷に置く」と言った方が味わいがありますよね。
ところが、今ではこれが差別用語なんだそうです。
平成28年2月、衆議院総務委員会で、野党議員がNHKの用地取得計画撤回問題を取り上げました。
NHK会長は「こういう大問題について、執行部の人達をつんぼ桟敷に置いたことはない」と答弁しました。
これに対して、野党が「聴覚障害者に対する不適切発言だ」と非難し、NHK会長が「つんぼ桟敷」発言を撤回したのです。
日本語のプロであるNHKの会長なら、「何が不適切なもんか!オマエらの方こそ国語を勉強せい!」と怒鳴り返して欲しいものです。
国会はもう少しマシな議論をして下さい。
揚げ足取りなどやっている暇はありません。
・町医者
開業医と言い換えるべきなんだそうです。
医者も患者も専門医指向の世の中ですから、大学病院やがんセンターのスーパードクターに比べて、何でも屋の町医者は身分が低いということでしょうか?
私は町医者に誇りを持っていますし、肩身が狭い思いもしていません。
町医者で結構です。
これからも、頼れる町医者を目指します。
次号に続く