平成30年5月1日
引き続き、タバコ規制枠組み条約の主要条文を見ていきます。
第13条 タバコの広告と販売促進およびスポンサー活動を禁止する。
タバコの被害を減らすために、タバコの広告、販売促進およびスポンサー活動を、例外なく禁止しなければなりません。
詐欺(さぎ)的な手段を用いて、健康への悪影響や危険性を隠した、虚偽(きょぎ)のタバコ広告を行ってはなりません。
また、小売店においてタバコを陳列する事は、タバコの宣伝・販売促進活動であり、禁止されています。
ところが、日本のコンビニでは100種類以上のタバコが陳列され、レジの「成人ボタン」を押せば簡単に購入できてしまいます。
これは完全に条約違反です。
タイでは、鍵をかけた棚にタバコを陳列し、販売の際には解錠しなければならない仕組みになっています。
日本はタイを見倣(みなら)うべきです。
自動販売機は、その存在自体が広告となるため、禁止されています。
しかも、自動販売機は、未成年者が簡単にタバコを入手する手段になっています。
日本政府は「タスポ」なる成人識別カードを導入しただけで、自動販売機を野放しにしています。
簡単に貸し借り可能なカードで未成年者のタバコ購入を阻止できる訳がありません。
これも完全に条約違反です。
フランス、ベルギーなどヨーロッパの先進国は、国の法律でタバコの自動販売機を全面的に禁止しています。
当然、日本も見倣うべきです。
タバコ箱の包装とデザインは宣伝・販売促進の重要な手段ですから、広告表示が一切ない「プレイン・パッケージ」が義務化されています。
例えば、オーストラリアのタバコ箱は、98%の面積をタバコ被害の写真や警告文が埋め尽くし、僅か2%の面積に銘柄が記載されています。
日本のタバコとは大違いです。
タバコのインターネット販売は、宣伝・販売促進の役割を果たすため、禁止されています。
日本ではこれも野放しで、条約違反です。
タバコ会社が「企業の社会的責任を果たすため」と称して行う、いかなる形態の寄付・スポンサー活動も禁止されています。
日本ではJTがバレーボールチームを持っており、バレーボールリーグのスポンサーにもなっています。
また、JTはゴルフや将棋などのスポンサーにもなっていますし、学生へ奨学金も交付しています。
いずれも条約違反です。
海外では一切禁止されています。
JTは、まやかしの「社会的活動」を直ちに止めるべきです。
第16条 未成年者への販売を禁止する。
海外では、タバコの販売を、未成年者が購入しにくい対面販売だけに制限しています。
しかし、日本の実情は、第13条の説明で述べたように、無法地帯です。
次号に続く