平成30年2月1日
日本はWHO予算の義務的分担金の額が第2位を誇る主要国です(第1位はもちろんアメリカ)。
しかも、タバコ規制枠組み条約の会議費への拠出金の額は、何と日本が世界第1位です。
かつて湾岸戦争の際にも国際的な批判を浴びましたが、「カネは出すが行動しない(実行しない代わりにカネでごまかす)」のは日本のお家芸のようです。
日本政府は条約を無視して平然としています。
国際社会の一員としてあるまじき、恥ずべき態度です。
「なぜ、日本政府が受動喫煙防止を始めとするタバコ対策を進めないのか?」について述べる前に、タバコ規制枠組み条約の主要条文を見てみましょう。
第6条 タバコ税・タバコ価格を上げてタバコの需要を減らす。
海外のタバコの値段は、安くても1箱800円から1,000円程度です。
イギリスやノルウェーでは1,000円を超します。
オーストラリアでは1,600円から2,200円もします。
先進国で、日本より安くタバコを買える国は存在しません。
タバコの値段を上げれば、喫煙者が禁煙を決意するきっかけになります。
喫煙を開始するのは、多くの場合、中学生・高校生の頃です。
私も高校2年の修学旅行の際、札幌の旅館で秋田県から来た高校生の部屋に誘われ、タバコを吸わされた(?)のが、初めての喫煙でした。
1箱2,000円か3,000円に値上げすれば、中・高生はタバコに手を出せなくなります。
平成25年度の総販売本数は約2,000億本ですから、単純計算すれば、タバコ税を1本当たり1円増税するだけで2,000億円の税収アップにつながります。
10円増税すれば2兆円の税収アップです。
実際には、タバコの値段が上がると販売本数が減るため、こんなに簡単にはいきません。
世界銀行は「タバコを40%値上げすると、喫煙量が14~16%下がり、一方タバコ税収は20~28%増えるという世界共通の原則がある」と報告しています。
また、ある試算によると、タバコ1箱1,000円に値上げすると、喫煙率・喫煙量が3分の1に落ち込んだとしても、2兆5,000億円以上の税収増が見込めるというのです。
消費税の増税よりも、タバコ税の大幅増税を先に行うべきなのです。
一般的に、タバコ税を上げてタバコの値段が高くなれば、タバコの需要が減り、タバコ会社の収益や税収が落ちると思われがちです。
しかし、実際にはそうはならないのです。
タバコには強い依存性があるため、値上げに比例して止める人が増える訳ではないからです。
タバコの値上げに伴って、税収が増えるだけではなく、喫煙率が低下する事で健康被害が減少します。
伸び続ける国民医療費を抑制する上でも、これに勝る方法はありません。
ある試算によれば、タバコによって引き起こされる癌・動脈硬化性疾患により、3兆2,000億円もの無駄な医療費が費やされています。
タバコを大幅値上げする事により、税収が増え、医療費が減るのです。
一石二鳥ではありませんか!
次号に続く