平成29年11月1日
タバコが如何に有害であるか、続けます。
9.添加物 続き
①アンモニア
ニコチンはpH(ペーハー)が高くなると、「遊離塩基ニコチン」となり、生体膜を容易に通過して体内に吸収され易くなります。
ニコチンの血中濃度が急激に上昇すると、脳内報酬系が容易に活性化します。
JTは煙のpHを高くする目的でアンモニアを添加しています。
ニコチン依存症患者を効率よく増やして、タバコをもっともっと買わせるために、タバコにアンモニアを混ぜて、ニコチンを吸収しやすくしているのです。
JTはアンモニアを用いたニコチン吸収促進技術を「アンモニア・テクノロジー」と名付けて、自画自賛しています。
タバコの煙は粒子(りゅうし)相(そう)とガス相から成っています。
粒子相に含まれる種々の粒子は、肺の中で固まって粘着性のヤニ状の塊(かたまり)になるため、粒子相全体をタールと呼んでいます。
通常のニコチンは煙の粒子相に、「遊離塩基ニコチン」はガス相に、それぞれ含まれます。
タバコのパッケージに表示するニコチン量は粒子相のニコチンのみを捕集・計量すれば良い事になっています。
アンモニア添加によって「遊離塩基ニコチン」の発生が増加しても、パッケージには記載しなくても良い訳です。
うまく考えたものです。
腹が立つのを通り越して、感心してしまいます。
敵ながらアッパレです。
②アセトアルデヒド
砂糖の燃焼によって発生するアセトアルデヒドは、ニコチンの急性中毒症状を緩和します。
このため、喫煙者はドンドン煙を吸っても気持ち悪くならず、ニコチンの血中濃度が急激に上昇します。
その結果、喫煙者のニコチン依存度が益々(ますます)強くなります。
JTはこのメカニズムも自画自賛して、アセトアルデヒドを「インパクト・ブースター」と名付けているそうです。
全く腹立たしい限りです。
③プロジェクト・ステルス
受動喫煙に対する社会の目が厳しくなってきました。
そこで、JTは副流煙を見えにくくさせる添加物や、臭いを隠す添加物を開発しました。
この技術はステルス戦闘機になぞらえ、「プロジェクト・ステルス」と呼ばれています。
炭酸マグネシウムなどは副流煙を見えにくくし、ベンズアルデヒドなどは副流煙の臭いを分からなくします。
このように狡猾な技術で作られたタバコが、受動喫煙の被害を拡大しています。
次号に続く