平成29年6月1日
2020年(平成32年)に東京オリンピックが開催されます。
これを成功に導くためには、タバコ対策を避けては通れません。
なぜなら、WHO(世界保健機関)とIOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピックをタバコフリー、すなわちタバコの煙のない環境で行う、という協定を結んでいるからです。
オリンピックはスポーツの祭典ですから、タバコの煙のない健康的な環境で開催するのが原則なのです。
実際、これまでのオリンピック開催都市と日本以外の開催予定都市の全てが、受動喫煙防止のための法的措置を確立しているのです。
東京都民だけでなく日本国民全体の健康増進のためにも、世界中から集まるお客様への「おもてなし」のためにも、「受動喫煙防止法」の制定が必要です。
タバコは実に多くの疾病(しっぺい)を引き起こす消費財です。
ほとんど全ての喫煙者は、喫煙が罹病(りびょう)の確率を高める事を知りながら喫煙しています。
また、喫煙によって実際に不健康になっている事を自覚しながら喫煙し続けている人も、少なくありません。
現在販売中のタバコの箱には、喫煙が重篤(じゅうとく)な疾病の原因になる事が明記されています。
「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます」
「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」
「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に 悪影響を及ぼします」
などの警告文が記されています。
ご覧になった方も多いでしょう。
実質的に購入しない事を勧めるメッセージを添えた商品は、タバコ以外に存在しません。
では、我が日本国民の喫煙率はどの位でしょうか?
統計によると、2014年(平成26年)の喫煙率が、調査開始以来初めて20%を割り込み、19.7%だったそうです。
19年連続で減少しており、喜ばしい事です。
しかし、男女別に見ると、男性は30.3%、女性は9.8%で、日本人男性の喫煙率は先進国の中でも未だに最高水準です。
誠に恥ずかしい限りです。
日本の喫煙人口を喫煙率から推計すると、2,000万人以上となり、その内約1,500万人が禁煙を希望しながら不成功の状態にあると推測されます。
これは由々(ゆゆ)しき事態です。
日本たばこ協会の統計によると、平成25年度の総販売本数は約2,000億本ですから、喫煙者1人当たり年間1万本(500箱)、1日27本(1.4箱)を吸っている勘定です。
また、同年度のタバコ販売総額は4兆744億円で、同年度の防衛費(約4兆7,000億円)に近い金額です。
我が国民は、毒(タバコ)を買うのに、これだけの大金を費やしているのです。
何と嘆かわしい事でしょう!
次号に続く