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Exploring the History of Medicine, Part 51: Florence, Part 31
平成28年6月1日
今回は、前々回紹介した能見正比古氏とは別の、伊集院(いしゅういん)大輔(だいすけ)氏による血液型性格分類を紹介します。
A型
・オーソドックス。保守的。形式主義。常識人間。
・社会的使命感が強い。正義派。完全主義者。
・慎重。集中力があり、根気強い。大器晩成。
・受け身的。サッパリしている。
・プライドが高い。
O型
・人間味に溢(あふ)れる。飾り気がない。おおらか。
・情熱的。エネルギッシュ。
・身内意識が強い。本音で語る。誤解されやすい。
・ロマンチスト。
・目的意識が強い。負けず嫌い。利己的。
・派手好み。普段は地味。
・一見、大胆。実はもろい。
B型
・好奇心旺盛。熱しやすく冷めやすい。
・マイペース。思いつきで行動する。組織プレーより個人プレーが得意。
・話題豊富。表面は明るいが、根は暗い。照れ屋。
・仕事大好き。
・放言で無意識に人を傷つける。
・社交上手。気さく。人情家。涙もろい。
・経済観念がない。
AB型
・合理的。クールでドライ。安定志向。金銭感覚に優(すぐ)れる。経済観 念が発達。
・そつが無い。頼まれるとイヤと言えない。
・妥協的。主体性に欠けるがいざとなると凄(すさ)まじい。
・積極的に他人の世界に入らず、自分の世界にも入れない。
・器用だが持久力がない。
・メルヘンチック。空想的。
・知的な都会派。軽いタッチのジョークで人に好かれる。
どうです?皆さん。
伊集院氏の分類にも能見氏の分類と同様に、どの血液型にも、虚栄心をくすぐる言葉が散りばめられています。
例えば、A型には「社会的使命感が強い」、O型には「人間味に溢(あふ)れる」、B型には「社交上手」、AB型には「知的な都会派」というように、どの血液型にも格好良い性格が割り当てられています。
自分がどの血液型であろうと「そうなんだよ。結構当たっているね」と納得してしまいます。
しかし、能見氏の分類と同様に、どちらにも取れる曖昧(あいまい)な記述が多いのです。
例えば、O型は「派手好み。普段は地味」だそうです。
派手な人も地味な人も、どちらでも当てはまってしまいます。
また、「一見、大胆。実はもろい」も極めて曖昧です。
AB型の「主体性に欠けるがいざとなると凄(すさ)まじい」も曖昧で分かりにくい表現です。
「積極的に他人の世界に入らず、自分の世界にも入れない」に至っては、理解不能です。
能見氏と伊集院氏の分類を見比べると、両者で見立てが違う事に気付きます。
能見氏はA型、O型、AB型が「慎重」と言っているのに対し、伊集院氏はA型のみが「慎重」と言っています。
血液型による性格分類とは、かように、どうとでも取れる曖昧な所見を積み重ねてラベル付けをした物に過ぎません。
曖昧な物を束(たば)ねれば、中には一つぐらい「当たっている」と思える所見もあります。
こうして、血液型性格判断を信じてしまう人が出て来るのです。
提唱者が異なると、各血液型の詳細も異なる「分類」など、学問ではありません。
デタラメです。
次号では、血液型分類の起源を探ります。
次号へ続く