平成28年5月1日
前回、能見(のうみ)正比古(まさひこ)氏の血液型性格分類を紹介しました。
能見氏は1970年代に血液型ブームを巻き起こした張(ちょう)本人です。
読者の多くは、この性格分類で、自分の血液型の項を読み、その幾つかが自分の性格と一致すると感じた事でしょう。
そして、「結構当たっている」と納得した方も大勢いると思います。
しかし、自分の血液型以外の項も読んでみて下さい。
他の血液型にも、自分に当てはまる性格が幾つも書かれていませんか?
それも、その筈(はず)です。
どの血液型にも、虚栄心をくすぐる、格好良い性格が散りばめられています。
誰でも、「あなたは、結構思いやりがあって、友達を大切にするし、情にもろい正義感でもあるわね」と言われれば、照れながら「まあ、それほどでもないけど」と答えつつ、内心ニンマリするでしょう。
この褒(ほ)め言葉は、単にA、O、B、ABの各血液型の項から1つずつ性格を拾って並べただけです。
また、どの血液型にも、甲乙どちらにも解釈可能の曖昧(あいまい)な表現が多く、どんな人間にも当てはまってしまいます。
例えば、A型には「一つ一つ段階を踏む」と「短気」の両方があるそうですが、誰でもどちらかが当てはまるでしょう。
O型には「ロマンチスト」と「現実的」の2面性があるそうです。
これも、やはり誰にでも言える事です。
B型には「マイペース」と「柔軟」の両方があります。
これも、誰でも必ずどちらかが当てはまります。
AB型に至っては噴飯物(ふんぱんもの)です。
「情緒安定」「情緒不安定」の両面があるそうです。
誰だってそうではありませんか?!
私が能見氏の血液型性格分類を読んでも全く理解できない理由が、もう一つあります。
同じ性格が、複数の血液型の項に含まれている事です。
「慎重」という性格がA型、O型、AB型の3つに共通して含まれています。
つまり、B型以外は皆「慎重」という訳です。
B型は日本人の約2割です。
A型、O型、AB型合わせて8割の人に、「あなたはどちらかと言うと慎重でしょう?」と問い、「そうです」の回答を得たところで、分類としてどれ程(ほど)の意味があるのでしょうか?
こんなもので「当たっている」と喜んでも仕方ありません。
次回は、能見氏とは別の血液型性格分類を紹介します。
次号へ続く