平成24年9月1日
TPPでどうなる? 日本の医療 第3回
アメリカに関税ゼロで輸出できるようになるのですから、日本の輸出企業はTPP参加を大歓迎です。輸出企業を多く抱える経団連(日本経済団体連合会)からの政治献金は民主党政権にとって大きな資金源です。
都市部のマスコミも輸出企業からの広告費が無くなると困ります。
従って、新聞はこぞってTPP推進論を社説に書き立て、テレビはこぞってTPP推進論者を登場させ、共にTPP参加賛成の世論作りに励んでいます。
マスコミはカネのために国民を洗脳し、アメリカの飼い犬に成り下がった政府はカネのためにアメリカに盲従するという構図が完成してしまった訳です。
昨年3月、野田首相は都内の講演会で「TPPはビートルズです。日本がポール・マッカートニーでアメリカがジョン・レノンです。ポールのいないビートルズはあり得ない。この二人がきちっとハーモニーしなければならない」と述べました。
この例え話は、私が説明するまでもなく、ビートルズの曲の90%以上を作曲したポール・マッカートニーとジョン・レノンに、日米関係を準(なぞら)えたものです。
オバマ大統領の飼い犬ポチが、ご主人に尻尾を振りながら、「ご主人がジョン・レノンで、私はポール・マッカートニーです。」と言っている訳です。
オバマは、この話を聞いて、きっと失笑した事でしょう。ポール・マッカートニーとジョン・レノンの音楽的才能は同等と思う私に言わせれば、野田は笑止千万(しょうしせんばん)の思い上がりをしていますし、日本に例えられたポール・マッカートニーに対して失礼です。
私は、ビートルズの他のメンバーであるジョージ・ハリソンとリンゴ・スターも好きですが、この二人を抜きにしてビートルズを語った野田首相の例え話は、この二人に対しても失礼です。
さらに、日米以外のTPP参加国(8カ国)はどんな思いでこの話を聞いた事でしょう?
オバマの飼い犬ポチが、他の8カ国に向かって、「私とご主人様はビートルズのポール・マッカートニーとジョン・レノンだぜ。あんた達8人が寄ってたかっても、ジョージ・ハリソンとリンゴ・スターの二人分程度の力しかないんだよ」と言い放った訳です。
穴があったら入りたい心境です。野田首相に代わって私が、ジョージ・ハリソンとリンゴ・スターと8カ国に、お詫び申し上げます。
冗談はさておき、野田首相がTPPをアメリカとの関係だけで考えている事が、よく分かりました。さらに、2010年10月には、米国通商代表部(USTR, Office of the United States Trade Representative)の高官が「TPP交渉はアメリカが主導している」と放言しました。
TPPを舞台に日本を草狩り場にしようと企(たくら)むアメリカと、日米関係を相思相愛の関係と勝手(かって)に思いこんでいる飼い犬ポチ。
思惑が異なる、同床異夢(どうしょういむ)の日米2カ国が、良くも悪くもTPPの中核を成す事は間違いありません。
音楽界だけではなく、文化・思想の面でも世界中に旋風を巻き起こしたビートルズでしたが、結成後たった8年で解散してしまいました。
さて、TPPの運命や如何(いか)に?
次号に続く