大騒ぎするのは、やめましょう。 その2

平成23年5月1日


 今月も、放射能汚染について私の考えを述べます。

 先月号で、検出される放射性物質の値が暫定規制値を超えたという理由で、福島、茨城、栃木、群馬の野菜が出荷制限や摂取制限の対象となった事を書きました。

農家の方が丹精(たんせい)込めて育てた野菜が無駄に捨てられている事実が、テレビや新聞で報道されています。見るに忍びない、嘆かわしい事態です。

 無駄に捨てられているのは野菜だけではありません。福島県産、茨城県産の原乳(生乳)も、放射性ヨウ素の検出値が暫定規制値の300Bq(ベクレル)/kgを上回ったからという理由で、出荷制限の対象となりました。

酪農農家の方が毎日、泣く泣く、大量の原乳を廃棄させられています。

 先月号で述べたように、暫定規制値とは、放射性ヨウ素では1年間の積算被曝線量の上限を50mSv(ミリシーベルト)として、平均摂取量で日割り計算して算出した放射能濃度の上限です(先月号ではmSbと書きましたが、シーベルトとは学者の名前でSievertですから、記号はSvです。ここにお詫びして訂正致します)。

 では、先月号のホウレンソウと同様に、暫定規制値を超えた原乳について、毎日、どれ位の量を飲むと、年間積算被曝線量が50mSvに達するのか計算してみましょう。

1Bq=2.2/100,000mSvですから、1日に摂取する原乳の量をX(kg)とすると、

300(Bq)×X(kg)×365×2.2÷100,000=50(mSv)の式が成り立ちます。

これより、X=20.8(kg)となります。原乳1kgは約1リットルです。つまり、毎日、牛乳を20リットル以上飲まないと年間50mSvに達しないのです。先月号で述べたように、健康に影響を及ぼす可能性のある放射線量の目安は年間100mSv(50mSvの2倍)とされていますから、健康被害を受けるためには、毎日、牛乳を20リットルの2倍、すなわち40リットル以上飲み続けなければなりません。

いかに地球広しと言えど、牛乳40リットル以上を365日飲み続ける事ができる人はいないでしょう。原乳に関しても、暫定規制値その物が、安全側に非常に厳しく「規制」された値である事が判ります。

 そもそも、放射性ヨウ素の検出値が暫定規制値を上回ったからという理由だけで、取れたての原乳を全て廃棄してしまうのは、余りにももったいない話です。

何故なら、放射性ヨウ素の半減期は8日ですから、放出される放射線量は8日で1/2、16日で1/4、24日で1/8、32日で1/16に減少します。つまり、約1カ月で1/16に減ってしまうのです。さらに1カ月経つと、1/256にまで減ってしまいます。ですから、例え暫定規制値の200倍以上の放射性ヨウ素が検出されても、2カ月待てば、規制値以下に低下するのです。

 そこで、私の提案です。

出荷停止にされた原乳は、慌(あわ)てて廃棄せずに、バターやチーズ、アイスクリーム等に加工すれば良いのです。そして、ゆっくり寝かせて、放射能が暫定規制値を下回ってから販売するのです。どうです?良いアイデアだと思いませんか?

 残念ながら、放射能汚染に対して過敏になってしまった国民は、放射能が高い原乳から作ったバターと知ったら、どんなに今は放射能が低くても、買わないかも知れませんね。

私は好物のレーズンバターなら、放射能汚染された原乳から作った物でも、喜んでウィスキーのつまみとして頂きます。

もっとも、いくら私の好物でも、毎日40kgものレーズンバターは食べられませんけどね。 

 牛乳の話だけで紙数が尽きてしまいました。

水道水の放射能汚染については次号で述べる事にします。

お知らせ

平成30年8月13日(月)から16日(木)まで休診致します。

年末年始は12/29から1/3まで休診します。

1/4(木)から通常通り診療します(平成29年12月25日)。