民主党の医療政策 第14回

2010年10月1日

今回も、民主党の療養病床に対する政策について述べます。 
 
民主党は、次のように公約しています。
①自公政権の「療養病床削減計画」を凍結する。
②総枠として、療養病床38万床を維持する。

 そもそも、介護保険制度創設の本来の主旨は、「在宅での介護は困難なため、社会全体で介護を支える事」です。「療養病床削減計画」は完全にこの主旨に反しています。
追い出された入院患者が介護施設に入所できたとしても、光熱費・居住費・食費などの自己負担値上げに耐えられず、退所せざるを得ない人が増加しています。
施設を退所した患者は、最後の受け皿となる家庭へ仕方なく戻る他ありません。
ところが、現状では介護力の無い高齢世帯が多く、介護放棄や虐待が頻発し、患者は難民化しています。
これでは、介護保険の主旨と正反対の事態です。
ですから、民主党の「療養病床削減計画」凍結政策は正論です。

 ①で療養病床を削減しないと宣言したのですから、②で療養病床38万床を維持すると言っているのは①と整合し、当然のように見えます。
ただし、「総枠として」という但し書きが気になります。
民主党は②に関連して、「現在の療養病床は居住施設への転換を図る」「亜急性期病床から療養病床への転換を図る」「療養病床は医療を必要とする患者の入院施設であるゆえ、食事・居住を医療の一貫として捉え、食事・居住費を含んだ包括払いとし、プラスαの部分を選定療養とする」と宣言しています。
 この宣言を分かり易く言い替えれば、次のようになります。
「現在の療養病床はすべて介護施設に転換し、そこに入院し続ける患者には医療保険を給付する事は止めて介護保険で面倒をみる。また、急性期を過ぎてなお入院を要する患者は『新しい療養病床』に転院させる。『新しい療養病床』では、決められた金額の範囲で食費・光熱費・家賃と共に医療費を賄(まかな)わなくてはならない。決められた範囲を超える金額の医療を受けたければ、実費を支払わなくてはならない。」
 民主党は、表面上は療養病床を維持すると言っておきながら、実質的には、中小病院から介護施設への転換を促進し、それができない病院は潰して介護難民を増やし、慢性期入院患者には定額の医療しか施さず、質の高い医療を受けたければ実費を払わさせるという、「病院潰し」「年寄りいじめ」の政策を行おうとしているのです。
表面的には療養病床削減計画を凍結すると言っておきながら、実質的には療養病床削減を継続しようとしているのです。

 国民(高齢者)の医療に対する国家の責任を放棄するという点で、民主党は旧自公政権と何ら変わりません。
民主党は旧自公政権の高齢者切り捨て政策を継続しているのです。
今後も、慢性期入院患者に対する民主党の医療政策を慎重に注視する必要があります。

 今回で、計14回に渡った、民主党の医療政策に関する考察を終了します。

お知らせ

平成30年8月13日(月)から16日(木)まで休診致します。

年末年始は12/29から1/3まで休診します。

1/4(木)から通常通り診療します(平成29年12月25日)。