令和2年9月更新 コロナについて思うこと
当院は今月18日で開業満20年になりました。
おかげ様で、来院患者数は23,000人を超えました。
この「院長挨拶」も、今回で13回目です。
開院後20年の間には、色々な事がありました。
私は当院開院の5年前に人に騙(だま)され、1,000万円もの大金を持ち逃げされたのがきっかけで、大借金を抱えていました。
そこに、「辻堂の土地を売ってあげる」という話が飛び込んできたのです。
私は銀行を駆けずり回って、さらに借金を上積みし、平成12年(2000年)に開院したのです。
しかも、当院の立ち上げに協力的だった経営コンサルタントが、開院後間もなく私を裏切り、裁判沙汰になりました。
その後も様々な問題が発生し、今日もなお、決して順風満帆ではありませんが、何とか町医者の端くれとして診療を続けています。
献身的に力を貸してくれた両親は、もう居ません。
ここまで来られたのは、私を信頼して通って下さっている患者さんと、文句を言いながらも働いてくれている従業員のおかげです。
実は、患者さんやお世話になった方を招き盛大な20周年記念パーティーを催(もよお)す計画を、1年以上前から立てていたのですが、3密を避けたい従業員達に反対されて断念しました。
何もしないのも悔しいので、ちかぢか内輪(うちわ)だけのパーティーをします。
後日、当ホームページのフォトギャラリー欄で報告しますので、ご笑覧下さい。
今年は正月明け早々から、新型コロナウィルスの感染が世界中で拡大しました。
我が国でも、安倍総理が緊急事態宣言を発令し、4月から5月にかけて消費活動がストップしました。
その結果、経済は戦後最大の落ち込みとなり、かつて直面したことがない危機に陥(おちい)っています。
今月、内閣総理大臣が安倍総理から菅総理に交代しました。
新内閣が、取り組むべき最優先の課題として掲(かか)げているのが新型コロナ対策です。
菅総理は、欧米のような爆発的な感染拡大を阻止して国民の命を守り、経済との両立を目指すと、就任記者会見で宣言しました。
ところで、新型コロナはそれ程(ほど)までに恐れるべき敵でしょうか?
我が国では、風邪や誤嚥(ごえん)から肺炎になって死ぬ人が毎月平均1万人以上います。
インフルエンザだけでも、毎年1万人死んでいます。
一方、新型コロナに感染して死んだ人は8ヶ月間で1,500人です。
普通の肺炎で死ぬ人も、インフルエンザで死ぬ人も、新型コロナで死ぬ人も、皆一様に死亡率0.1%くらいです。
元々、コロナウィルスは風邪のウィルスです。
人類は1万年前からウィルスと共存してきました。
新型コロナウィルスは昨年末に発見された新種の風邪ウィルスに過ぎません。
人類にとって、未知のウィルスや細菌は無数に存在しており、今後もそれらに感染し、戦い、共存しなければなりません。
ウィルスや細菌と共存する際、我々を守ってくれるのが免疫です。
免疫には細胞免疫(T細胞と呼ばれるリンパ球による防衛)と液性免疫(B細胞と呼ばれるリンパ球が産生する抗体)があります。
免疫力を保つために、健康的な生活を心がけることは大事ですが、自粛は不要です。
政府・日本医師会・マスコミは大合唱しています。
「ワクチンが開発されるまで、自粛・マスク・フェイスシールド・手の消毒・ソーシャルディスタンス・つい立て・深夜営業禁止・県境をまたぐ往来禁止・ステイホーム・新しい生活様式が必要だ」と。
果たしてそうでしょうか?
「不謹慎」との誹(そし)りを恐れずに言えば、私にはこのバカ騒ぎが滑稽(こっけい)に見えます。
無防備で良いとは言いません。
風邪やインフルエンザと同じ致死率なのだから、新型コロナに対する警戒も、風邪やインフルエンザと同程度で良いと、私は思うのです。
宴会も、向かい合っての食事も、深夜営業も、海外旅行も自粛せよと要請するのはやり過ぎだ、というのが私の考えです。
人間は家族・社会生活を営むことによって、生きてきました。
無症状の感染者が無自覚に他人へ感染させるのですから、感染を防ぐことなど土台無理な話です。
感染者の9割が無症状・軽症なのですから、風邪やインフルエンザと同程度に恐れれば充分です。
そもそも、風邪のワクチンは未だにありません。
風邪薬は対症療法に過ぎません。
新型コロナにも対症療法で立ち向かい、重症化した時だけ入院させれば良いのです。
風邪やインフルエンザでも重症の肺炎になれば入院が必要ですよね。
それと一緒です。
そうすれば、病床もひっ迫しません。
現在の自粛・経済停止を続けたら、企業の倒産が益々(ますます)増加し、今でさえ新型コロナ死者数の10倍以上いる自殺者がもっと増えるでしょう。
現在の日本は狂っています。
いい加減に目を覚まして下さい。
日本中が狂ってしまった発端は、新型コロナウィルス感染症を「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、今年3月から二類指定感染症(結核など)に準ずる扱いとしたことです。
その結果、感染者は直ちに入院・隔離が必要となり、大騒ぎになってしまったのです。
今すぐに五類感染症(季節性インフルエンザなど)に格下げし、入院・隔離を不要にするべきです。
数年後には、他のコロナウィルス感染症と同様に、新型コロナも季節性の風邪として人間社会と共存していることでしょう。
私はある音楽家の大ファンで、定期的にライブに出かけています。
インターネットライブにも参加しています。
オンラインのライブも楽しいのですが、生のライブにはかないません。
ライブに限らず、外食・旅行を含め全(すべ)て、昨年までの生活に戻りたいと、心から願います。
政府はオンライン診療を推進しようとしていますが、私は抗(あらが)い続けます。
画面越しの診察で正しい診断ができる訳がありません。
私は一人一人の患者さんに真摯(しんし)に向き合うことを信条に、医者を続けます。
少なくとも当分の間は。