COPDという病名を聞いた事がありますか?
これは慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略称で、煙草の煙や大気汚染の微小な粒子によって、気管支や肺胞に慢性的な炎症が生じ、肺胞が次第に破壊されていく病気です。
これまで肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた疾患が、現在ではCOPDと総称されるようになりました。
肺胞が破壊された結果、肺はスカスカの状態となり、肺への空気の通りが悪くなっていきます。
この病気の特徴は2つあります。①肺胞の破壊が非可逆性、すなわち二度と元には戻らないという点と、②破壊が相当進行するまで自覚症状がないという点です。
COPDの原因の大部分は煙草ですから、喫煙者は咳・痰・息切れ等の症状を自覚する前に(末期に至る前に)早期に診断する必要があります。
当院では、呼吸器疾患の診断に不可欠な胸部X線検査だけではなく、スパイロメーターによる呼吸機能検査を行い肺年齢の測定を行っています。
煙草を吸う方は是非一度、肺年齢を測定し、呼吸器疾患に対する意識を高めて頂きたいと思います。
COPD は非可逆性であると述べましたが、治療法がない訳では決してなく、あきらめる必要はありません。
第1に禁煙が必要なのは論を待ちませんが、気管支拡張剤や吸入ステロイド剤等の薬物療法が進歩していますので、「もう元には戻らない」と開き直る前に当院に相談して下さい。
また、パルスオキシメーターに指を入れるだけで、経皮的に簡単に動脈血酸素飽和度を測れますので、必要な際には躊躇無く在宅酸素療法に移行します。
気管支喘息の内服、吸入療法も行います。