B型慢性肝炎とC型慢性肝炎は、肝炎ウイルスの感染により、肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気です。
これらの厄介な点は、10年以上の長い年月をかけて肝硬変や肝癌に進行していく事です。
そして、肝硬変から食道静脈瘤となり、瘤が破裂して吐血したり、肝癌が大きくなって黄疸が出現したりするまで、すなわち末期になるまで殆ど何の症状もない事です。
具体的に分かり易く言えば、肝炎ウィルスに感染してから30年間全く自覚症状がなく、症状が出現して肝炎と気付くのは死の3週間前で既に手遅れなのです。
肝臓は末期になるまで悲鳴を上げないのです。
「沈黙の臓器」と言われる所以です。
慢性肝炎の8割はC型です。
現在、我が国には100人に1~2人の割合で、C型慢性肝炎の持続感染者(キャリア)がいると推測され、「21世紀の国民病」とまで言われています。
http://www.c-kan.net/
当院ではエコーや血液検査にて慢性肝炎・肝硬変・肝癌の早期発見・治療、定期的な経過観察に努力しています。
C型肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン併用療法も行っています。
平成26年からは、C型肝炎に対する内服薬2剤のみ(ダクルインザ・スンベプラ)の治療が実用化され、インターフェロン注射を上回るウィルス消失率が認められています。
インターフェロンフリー治療と呼びます。
平成27年以降、ハーボニー、ヴィキラックス、ソバルディ等、次々と有効な内服薬が発売されています。
当院でも、良好な成績を収めていますので、ご相談下さい。
B型肝炎に対する核酸アナログ製剤(バラクルード、テノゼット)療法も行っています。
インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療等の抗ウイルス療法には、公費助成制度があります。
申請には専門医の診断書等が必要です。
当院は神奈川県より「肝臓専門医療機関」に指定されていますので、ご相談下さい。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7029/p23680.html
脂肪肝は、アルコールが原因のものと、アルコールとは無関係のものがありますが、後者は生命には影響しないと考えられていました。
ところが、酒を飲まない人の中にも、脂肪肝から肝硬変、肝癌、肝不全に至る人がいる事が分かり、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD(ナッフルド))と総称されています。
NAFLDのうち、肝硬変、肝癌、肝不全に進展するものを、特に、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH(ナッシュ))と呼んで区別しています。
すなわち、NASHはNAFLDの重症型という訳です。
「自分は単なる脂肪肝」と思っている方、あるいは医師からも「脂肪肝だから減量すれば良い」と言われていた方の中に、NAFLDやNASHが潜んでいるのです。
当院ではNAFLDやNASHの診断、治療を行っています。
ご相談下さい。