平成20年10月16日
当院では、平成17年2月からパワーリハビリテーションを開始し、3年半余りが経過しました。
現在までに、計130名(男性67名、女性63名)の方に実施しました。その内1年間通所した方が54名、さらにその内2年間通所した方が27名、さらにその内3年間通所した方が10名、さらにその内3年半通所した方が7名でした。各々の群において、目標の達成率、歩行速度の改善率、知能の改善率を評価し、通所を続ける事によって改善率の維持あるいは更なる向上が期待可能かどうかについて検討しました。
1.目標の達成率
実施前に、各自の目標を設定し、実施後定期的に目標の達成度を評価しました。1年後には、完全もしくは部分的に目標を達成した方が76%に達し、2年後にはさらに81%に上昇しました。3年後には60%と若干低下しましたが、3年半後でも57%と、約6割の達成率を維持していました。
2.歩行速度の改善率
各自について、実施前及び実施後定期的に歩行速度を測定しました。1年後には、81%の方で歩行速度が改善しました。2年後には74%、3年後には60%と少しずつ低下しましたが、3年半後でも57%と、約6割の改善率を維持していました。
3.知能の改善率
改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いて、実施前及び実施後定期的に知能を評価しました。1年後には、63%の方で知能が改善し、2年後にはこれが67%に上昇しました。3年後には40%に低下しましたが、3年半後でも57%と約6割の改善率を維持していました。
結語
1. パワーリハビリテーションを3年半実施した結果、通所継続により3年半後でも、目標の達成率、歩行速度の改善率、知能の改善率のいずれにおいても、約6割を維持し得る事が判明しました。
すなわち、「継続は力なり」が実証されました。
2. 130名の利用者の内、31名(24%)が3カ月未満で通所を中止し、脱落しました。
昨年4月の検討でも脱落者が27%いましたので、約4人に一人が脱落する傾向は変わっていません。
身体・精神の両面を長期に渡り改善するパワーリハビリテーションの効果を多くの方に理解して頂く努力を今後も続ける必要があります。