平成29年1月1日
明けましておめでとうございます。
今年も、人の意見に左右されない議論を展開します。お付き合い下さい。
細菌の次に地球上に出現したのが、藻類(そうるい)やシダ植物です。
植物に含まれている血液型物質は、面白い事にO型かAB型がほとんどで、A型はツバキ・ブナなど数種に、B型はツゲなど数種に見られるだけです。
いくら能見(のうみ)氏の信者でも、ツゲの樹(き)が涙もろいなどと主張する人はいませんよね。
生物は進化しながら血液型物質を合成する形質を受け継いできました。
ウナギ・ナマズ・サンショウウオ・豚からはA型物質が、アサリ・ハマグリからはO型物質が、亀・クジラからはB型物質が、ウシガエル・トノサマガエルからはAB型物質が、見つかっています。
人類と同じようにA、O、B、ABの4種類の型がすべて揃(そろ)っているのは、霊長類の中でも高等な部類に属するオランウータン・チンパンジー・ヒヒだけです。
読者の中にも血液型性格判断の信奉者がいる筈(はず)です。
その人達に問います。
A型の人へ。自分の性格がナマズと一緒だと認める人はいますか?
O型の人へ。自分の性格がアサリやハマグリと一緒だと認める人はいますか?
B型の人へ。自分の性格が亀と一緒だと認める人はいますか?
AB型の人へ。自分の性格がカエルと一緒だと認める人はいますか?
私達の腸の中には100兆個もの細菌がいます。
それぞれの細菌がA型物質やB型物質を持っているという事は前回お話しました。
腸内細菌の代表格である大腸菌も、O型物質を持つもの、A型やB型物質を持つものに分かれます。
これらの腸内細菌を、人類は人類に進化する以前から腸の中に棲(す)まわせていたのです。
そして、これらの腸内細菌が人間にABO式血液型を作りました。
腸内細菌が持つA型物質やB型物質を形成する遺伝子が体内に潜(もぐ)り込み、遺伝子移入が起こったのです。
従って、ABO血液型物質は赤血球表面だけに存在するのではありません。
体内の血液型物質の分布を見ると、実に多くの器官に分布しています。
特に、胃や腸内で分泌される粘液であるムチンの中には、血液中よりもずっと多い血液型物質が存在します。
腸ではおよそ80%、胃においてはほぼ100%の発現率を示します。
血液型物質は最初に赤血球表面から発見されたため「血液型物質」という名称が付いたのですが、本当は「胃腸粘液型物質」と呼ぶ方が妥当なのです。
胃腸に比べて、脳内に存在する血液型物質は僅かです。
脳内における血液型物質の分布度は僅(わず)か8%にすぎません。
性格が中枢神経である脳の働きによって発現している事に、疑いの余地はありません。胃や腸が性格を左右しているという人はいないでしょう。
性格が血液型によって決まるとしたら、脳内に血液型物質が少ないのは不自然なのです。
次号へ続く