「徘徊(はいかい)」と呼んではいけないのか? 偽善の言葉狩り 第8回 - hajime-clinic

「徘徊(はいかい)」と呼んではいけないのか? 偽善の言葉狩り 第8回

令和元年9月1日

 

前4回に続き、今回も、差別用語・放送禁止用語の例を紹介します。

                                  

めくら、めくらめっぽう(滅法)

 めくらが目の不自由な人を指す事は誰でも分かります。

目が見えない人に向かって「オマエはめくらだな」と言うのは失礼です。

 しかし、めくらめっぽう(滅法)はどうでしょうか?

辞書には、何の見当も付けずにむやみに行うこと、やみくも。とあります。

私は子供の頃から、言い出したら最後、めくらめっぽうに突き進む悪い癖がありました。

こう言ったら、視覚障害者に対する差別でしょうか?

決してそうではありません。

 

つんぼ、つんぼ桟敷(さじき)

  聴覚障害者に対して「つんぼ」とからかってはいけないのは当然です。

これに関連して、つんぼ桟敷という、いかにも日本語らしい洒落(しゃれ)た言葉があります。

歌舞伎の二階桟敷の一番奥で、舞台の役者の声がよく聞こえない場所のことを意味します。声が聞こえない桟敷だから「つんぼ桟敷」と言うのです。

「無視する」と言うよりも「つんぼ桟敷に置く」と言った方が味わいがありますよね。

ところが、今ではこれが差別用語なんだそうです。

 平成282月、衆議院総務委員会で、野党議員がNHKの用地取得計画撤回問題を取り上げました。

NHK会長は「こういう大問題について、執行部の人達をつんぼ桟敷に置いたことはない」と答弁しました。

これに対して、野党が「聴覚障害者に対する不適切発言だ」と非難し、NHK会長が「つんぼ桟敷」発言を撤回したのです。

日本語のプロであるNHKの会長なら、「何が不適切なもんか!オマエらの方こそ国語を勉強せい!」と怒鳴り返して欲しいものです。

 国会はもう少しマシな議論をして下さい。

揚げ足取りなどやっている暇はありません。

 

町医者

 開業医と言い換えるべきなんだそうです。

医者も患者も専門医指向の世の中ですから、大学病院やがんセンターのスーパードクターに比べて、何でも屋の町医者は身分が低いということでしょうか?

 私は町医者に誇りを持っていますし、肩身が狭い思いもしていません。

町医者で結構です。

これからも、頼れる町医者を目指します。

 

                                                             次号に続く

 

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